米国屈指のマーケット戦略家セス・ゴーディンが、成功するためのメソッドを書いた一冊。中級者と上級者を分けるものは何かについて、書かれています。
■チャレンジと失敗を通して知識は得られる
知識のほとんど、特に体系的な知識のほとんどは「チャレンジ」と「失敗」を通して得られる。「失敗」は、望むと望まざるとに関わらず、起こる時は起きてしまうものであり、これは避けがたい。しかし、「チャレンジ」はとりわけ一部の組織においてかなり不足している。人々は間違うことを恐れてチャレンジを回避しようとするが、これは大きな誤解である。
知的労働者にとっての怠慢とは、難しい知的労働を避けようとすることだ。重要な仕事をしたかどうかは、数や長さでは測れない。本能をつかさどる爬虫類の脳に従って、短絡的な忙しさを選んではいけない。あえてそれとは逆の方向へと行くべきだ。
天才とは、それまでにないような方法で問題を解決する人のことである。洞察力や独創性を働かせて、新しい解決策を見つけようとすることである。実際、天才と呼ばれる人々は、解決策を見つけるまでに何十回も失敗している。自分の中の心理的な抵抗によって身動きが取れない時、唯一の正しい反応は、どんどん失敗することによって何度でもその力を押し返すことである。
スピーチや面接、新商品の紹介、あるいはスポーツ・イベントなど、何かの準備をする際には「3つのレベル」がある。最初は初級者レベルで、この段階ではやればやるだけ努力が結果に反映され、大きな進歩が見込める。次は中級者レベルで、重ねた努力が目に見えないほどの微妙な質の向上をもたらす。最後は上級者レベル。ここまで来ると競争に勝ち、口コミが広がり、実際には商品が売れていく。上級者レベルに達する人はほとんどいないが、彼らは大きな努力によって他の追随を許さないほどの魅力を持っている。
中級者レベルの準備では何の役にも立たない。上級者レベルの過酷な努力をする覚悟がないなら、初級者レベルの準備に留め、時間をムダにするのはやめた方がいい。ほとんどの人が中級者レベルに甘んじるのは、行動を起こすのが怖いからである。中途半端な準備をし、会議に何時間も費やすわりに、不備を指摘されてもそれを認めようとしない。結局、商品はちっともよくならない。
スピーチでも文章力でもいい。どんな才能でも、とにかく何かを始めて、それをできる限り進化させよう。中級者レベルに甘んじてはならない。
著者 セス・ゴーディン
1960年生まれ。米国の作家、起業家。元Yahoo副社長。 起業家として数々の会社を設立し、内1社はYahooに買収される。 パーミッションマーケティングという、口コミマーケティングという手法を提唱した人物。
ビジネスブックマラソン 土井 英司 |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
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1 頭のいい人は「決断」と「行動」が速い | p.21 | 35分 | |
2 「むやみな競争」より「巧みな競争」 | p.73 | 22分 | |
3 あなたの“絶対的価値”は、こうしてつくられる | p.105 | 41分 | |
4 失敗すらエネルギーに替える発想 | p.165 | 30分 | |
5 「人は行かない道」を行け | p.209 | 26分 | |
6 あらゆるものが「新しい秩序」で動きはじめている | p.247 | 26分 | |
最後に | p.285 | 1分 |
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