シンガポールを拠点に、広くアジアで起業支援を行っている起業家の講演録。ベンチャー企業が成功するには何が大事かを説き、成長市場で勝負することの大切さを語った一冊。
■学生企業に入る
1986年、バブルの絶頂期だったので、一般的な大学生は勉強以外にもサークル活動や部活動、アルバイトやキャンパスライフを謳歌していたが、自分にはどれも面白そうに思えなかった。その時に、学校の先輩の真田哲弥さんから「学生企業をやるので、手伝わないか」と言われた。何をやるかというと、運転免許合宿の斡旋事業をすると。当時の大学生は車に乗るのが当たり前だった。現在は大学生協が大きなシェアを持っている事業だが、当時は生協も一生懸命やっておらず、運転免許合宿も一般化していなかった。情報誌に広告を出し集客し、大学内の掲示板にポスターや割引券を貼ったり、ゼミの教室を回ってチラシを置いたりした。すると、3人で始めた会社は、1年ちょっと後には10数名に膨れた。大学3年の頃には、親の会社を継ぐのか継がないのかという現実的な課題になる頃になっていたが、学生企業という狂気の中に埋没してしまうと、そちらの方が普通になってしまった。
ベンチャーにとって、あるいは新しい商売を作るという観点において大事なのは成長の尻馬に乗ることである。
著者 加藤 順彦
1967年生まれ。元NIKKO 創業者 大学在学中に(株)リョーマ、(株)ダイヤルキューネットワークの設立に参画。(株)徳間インテリジェンスネットワークを経て1992年、有限会社日広(現GMO NIKKO株式会社)を創業。 2008年、NIKKOのGMOインターネットグループ傘下入りに伴い退任しシンガポールへ移住。2010年、シンガポール永住権取得。 2015年、マレーシアMM2H(長期滞在)ビザ取得。 移住前は個人エンジェルとして、日本国内30社超のスタートアップの第三者割当増資 に応じるとともにハンズオン支援してきた(うち8社はその後上場)。 現在はシンガポールにて日本人の起こす企業の資本と経営に参画している。 主な参画先は、ホームIoTのKAMARQ、新興国のオンライン農協AGRIBUDDY、ビットコイン事業のビットバンク、ASEANでの採用ソリューションSMS24/7、通販物流受託のS-PAL等。
帯 ライブドア元代表取締役 堀江 貴文 |
帯2 ユーグレナ代表取締役 出雲 充 |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
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はじめに | p.25 | 2分 | |
第1章 環境が人間を創る | p.31 | 30分 | |
第2章 成長の尻馬に乗るということ | p.87 | 14分 | |
第3章 アジアのウミガメを創る | p.113 | 26分 | |
質疑応答 | p.161 | 14分 | |
あとがき | p.186 | 2分 |