ラグビーW杯で日本に歴史的な勝利をもたらした、元日本代表ヘッドコーチが、チームを成功に導くための方法論を語った一冊。勝つためのチーム作りに大切なことが紹介されています。
■明確な目標を設定せよ
人生において、大きな成功を望む時、絶対にしなければならないのは明確な目標を設定すること。目標は漠然としたものや、抽象的なものではいけない。数字などで具体的に表現され、結果が出た時に達成できたかどうか、はっきりわかるものでなければならない。
明確な目標は、必ず強いイメージを伴う。そのイメージが成功へと導く。自分の成功をイメージすると、誰もが晴れやかな気持ちになる。その気持ちが熱意と努力を生む。人の中に眠っている力は、計り知れないものがある。ほとんどの人はそれに気づいていません。自分の中に眠っている力を呼び覚ました人だけが、大きな成功を招き寄せることができる。
■向上心のない努力をしない
物事に懸命に取り組むことを「ハードワーク」と言う。これは「頑張る」とは少し意味合いが違う。100%の努力を傾けることと、それに加えて「今よりよくなろう」という意識が必要である。その意識がなければ、頑張りは無駄になる。
努力は身体的なものと精神的なものが共存して、初めて実りあるものになる。身体的、物理的な努力だけでは意味がない。精神的な努力が伴って、はじめて有意義になる。
■成功は準備がすべて
目標がはっきりしていれば、目先の勝敗は大して問題にならない。チームや個々の選手も、何が欠けていたのかを課題として自覚する。それは自分の基準を作ることであり、基準は成長とともにどんどん上がっていく。結局それは、準備をすることである。
どんな事でも、成功は準備がすべてである。勝つためには、準備をしなければならない。勝ちたいなら、相手を上回る準備をするしかない。
著者 エディー・ジョーンズ
1960年生まれ。ラグビー インドランド 代表監督 1990年代初頭まで、当時オーストラリアの最有力州チームだったニューサウスウェールズ州の代表として活躍、その後引退し、コーチに転身する。2003年、オーストラリアの代表監督としてW杯準優勝、2007年、南アフリカのテクニカルアドバイザーとしてW杯優勝。 2009年、サントリーのゼネラルマネージャーに就任。2010年度より監督も兼任し、日本選手権優勝。2012年、日本代表ヘッドコーチに就任。 2015年のW杯では、世界的な強豪南アフリカ代表に歴史的な勝利をして、ラグビーファンだけでなく日本中の注目を集めた。
帯 ゴールドマン・サックス証券社長 持田 昌典 |
日経ビジネスアソシエ2017年3月号 |
マインドマップ的読書感想文 |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
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はじめに――マイナス思考を捨てれば、誰でも成功できる | p.1 | 3分 | |
第一章 日本人独自のやり方で勝つ | p.15 | 25分 | |
第二章 どう戦略を立てるか | p.63 | 21分 | |
第三章 何が勝敗を分けるか | p.103 | 21分 | |
第四章 成功は準備がすべて | p.143 | 28分 | |
あとがき――部下がリーダーを超える時 | p.198 | 1分 |