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2016/12/26更新

生産性―――マッキンゼーが組織と人材に求め続けるもの

179分

7P

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量ではなく質を求めよ

組織と人材に最も必要なものは「生産性」である。マッキンゼーの元人材育成マネージャーが、量ではなく質をコントロールする必要性を説き、いかに生産性を高めるかについて紹介している一冊。


■投入資源を増やすと生産性は下がる
生産性は「成果物」と、その成果物を獲得するために「投入された資源量」の比率として計算される。

生産性 = 成果 ÷ 投入資源

生産性を上げるためには2つの方法がある。1つは成果額を大きくすること、もう1つが投入資源量を少なくすることである。よく起こる問題が、成果額を上げるための最初の方法として、残業をしたり人手を増やしたりという「投入資源を増やす」施策が選ばれがちだということである。生産性を上げるには、安易に投入資源量を増やさないこと、そして、コスト削減だけでなく付加価値を上げる方法も併せて考えることが必要である。

超短要約

日米の組織内において、差が極めて大きいのが「生産性」である。マッキンゼーの海外メンバーの圧倒的な生産性の高さは、単に「頭が良い」「仕事が速い」という話ではない。やるべきことの優先順位を明確にし、優先順位の低いことは大胆に割り切ってしまう判断の潔さや、常に結論を先に表明し、無駄な説明時間や誤解が生じる余地を削ぎ落としてしまう直截なコミュニケーションスタイルなど、その働き方にはあらゆる場面において、少しでも生産性を高めようとする強い意志が感じられる。

それは上司が帰らないと自分も帰れないといった雰囲気や、一言も発言しないまま黙々とメモを取るだけの会議参加者、枝葉末節にこだわり延々と意思決定を引き延ばす生産性の低い議論などとは対極にある働き方である。さらに、リスクをとることを躊躇しない姿勢の根底にも生産性の意識がある。彼らが既成概念を排してゼロベースで考えようとするのは、それによって生産性が大幅に上がると計算しているからである。ビジネスにおけるリスクは「できる限り避ければ良いもの」ではない。それによって得られる成果との比較において許容されるか否かが決まるのであり、もし極めて大きなリターンが期待できるなら「積極的に取りに行くべきもの」として認識される。つまり、「生産性が大幅に上がるなら従来のやり方に固執する必要はない。リスクをとることも厭うべきではない」というように、生産性を様々な場面における判断基準として使っている。

著者 伊賀 泰代

キャリア形成コンサルタント 大学卒業後、日興證券引受本部を経て、カリフォルニア大学バークレー校ハース・スクール・オブ・ビジネスにてMBAを取得。 1993年から2010年末までマッキンゼー・アンド・カンパニー・ジャパンにて、コンサルタントおよび、人材育成、採用マネージャーを務める。2011年より独立。

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章の構成 / 読書指針

章名 開始 目安 重要度
はじめに p.1 4分
序 章 軽視される「生産性」 p.16 8分
第1章 生産性向上のための四つのアプローチ p.30 9分
第2章 ビジネスイノベーションに不可欠な生産性マインド p.46 13分
第3章 量から質の評価へ p.68 12分
第4章 トップパフォーマーの潜在力を引き出す p.88 16分
第5章 人材を諦めない組織へ p.116 9分
第6章 チームの生産性向上が管理職の使命 p.132 16分
第7章 業務の生産性向上に直結する研修 p.160 15分
第8章 マッキンゼー流資料の作り方 p.186 12分
第9章 マッキンゼー流会議の進め方 p.206 13分
最終章 日本経済の課題としての生産性 p.228 7分
おわりに p.240 2分

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