なぜ、優秀だと思って採用した人材が期待外れで終わるのか。採用において本当に優秀な人を見抜くための技術を紹介している一冊。
■学力が高いと仕事ができるはイコールではない
学力が高い人材と本当に優秀な人材は驚くほど別物で、大企業は「優秀ではない学力の高い人」を毎年、採用している。実は徹底したリスクマネジメントが、結果として本当に仕事ができる人の採用に繋がる。「リスクを潰していった結果、どこにも見つからなければ優秀な人材である」というアプローチは、実は極めて合理的である。「人を採りたい」という願望が強くなっている採用現場で、長所にばかり視点を集めたのでは「この人はできるに決まっている」という採用側の美しいストーリーにあらゆる情報が巻き込まれてしまい、安易な「期待先行の採用」となって悲劇を招く。
■仕事の質は情報を扱う力で決まる
仕事の質を決めるのは、持っている情報の質量そのものではなく、各自に固有のものとして備わっている情報を使う力である。この能力が高いほど、結果的に情報との接点が増え、取り扱う情報量が増大する。情報を生産性に繋げる力を仕事力と呼ぶ。この力は、人の価値観や心の成熟度など、人の奥底に根付いているものと深い関係があり、「人間力」などと言い換えられる性格そのものである。人を観る時の対象は、この仕事力に絞り込まなくてはならない。
与えられた情報に意識を集中して、その処理に取り組む行動(内向)と、他者からの情報に心を寄せる行動(外向)を繰り返す人が、生産的な思考を実践できる逸材である。
著者 奥山 典昭
概念化能力開発研究所 代表取締役 会社設立以来16年間にわたって積み上げた「人を観る技術」を駆使して、 クライアント企業の組織再編や人材採用を支援する。2009年以降は、「アセスメントセンターを使った新卒採用アセスメント」の依頼が増え、毎年2000名以上の大学生の「仕事力」と向き合うことになる。 2012年に「採用アセスメントの内製化支援」の取り組みを始め、今では、 連日「応募者の本質を見抜くプロのノウハウ」をクライアント企業の経営者と若手社員に伝授する仕事に追われる。
ビジネスブックマラソン 土井 英司 |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
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はじめに | p.3 | 6分 | |
序章 小さな会社が「生産性の高い人材」を採用するために必要な心構え | p.21 | 9分 | |
1章 面接では好印象だったのに、なぜ入社後にがっかりするのか | p.35 | 19分 | |
2章 最強の人材評価メソッドから学ぶ「生産性の高い人材」を見抜く技術 | p.65 | 13分 | |
3章 人を観る目を作る「視点の絞り込み方」 | p.85 | 29分 | |
4章 応募者の心の成熟を示す「対象に向き合う力」 | p.131 | 10分 | |
5章 グループワークで応募者の「対象に向き合う力」を見抜く技術 | p.147 | 30分 | |
6章 説明会や面接で応募者の「対象に向き合う力」を見抜く技術 | p.195 | 24分 | |
あとがき | p.234 | 4分 |