35年にわたって吉本興業の謝罪会見を取り仕切ってきた著者が、企業が謝罪をするにあたっての段取りからポイントをまとめた一冊。
■平時から謝罪のシナリオを事前に考えておく
謝罪する回数をでき得る限り減らし、たとえ謝罪しなくてはならない事態が起きても、事を荒立てずに収める方法は、平時に緊急事態を想定し、対処する手順をあらかじめ「シナリオとして書いておく」ことだ。そうしておけば、いざ緊急事態が起きたとしても、慌ててパニックを起こして謝罪に失敗してしまい、さらに相手を怒らせてしまう状況にはならない。
その際、加害者が決して忘れてはならないのは、「被害者の気持ちを最優先する」ということだ。これを明確に意識していないと、なかなかうまくできない。ついつい「他人事」のように対応してしまいがちになる。相手の気持ちを知り、「自分事」としてリアルに感じる力が必要である。それさえあれば、起こってしまった事態を真摯に受け止め、誠意を持って対処することができる。この気持ちがあって初めて「よいシナリオ」が書ける。
謝罪する回数をでき得る限り減らし、たとえ謝罪しなくてはならない事態が起きても、事を荒立てずに収める方法は、平時に緊急事態を想定し、対処する手順をあらかじめ「シナリオとして書いておく」ことだ。
著者 竹中 功
1959年生まれ。謝罪マスター モダン・ボーイズCOO 吉本興業入社後、宣伝広報室を設立し、月刊誌『マンスリーよしもと』初代編集長を務める。お笑い芸人の養成学校、吉本総合芸能学院(よしもとNSC)の開校や、プロデューサーとして心斎橋筋2丁目劇場、なんばグランド花月、ヨシモト∞ホールなどの開場に携わる。 沖縄映画『ナビィの恋』、香港映画『無問題』の製作、河内家菊水丸のマネジャーとしてイラク・バグダッド、ロシア・モスクワ、北朝鮮・平壌公演などもプロデュース。 その後「吉本興業百年史編集室」「創業100周年プロジェクト」「東北担当住みます専務」などを担当し、コンプライアンス・リスク管理委員、よしもとクリエイティブ・エージェンシー専務取締役、よしもとアドミニストレーション代表取締役などを経て、2015年退社。
帯 日本テレビ プロデューサー 土屋 敏男 |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
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はじめに | p.1 | 4分 | |
第1章 「人が怒る」ということ | p.12 | 12分 | |
第2章 謝罪を成功に導く6つのステップ | p.31 | 12分 | |
第3章 謝罪の「ゴール」を設定する | p.51 | 7分 | |
第4章 特別チームを招集! | p.64 | 3分 | |
第5章 事実関係の整理と把握 | p.69 | 8分 | |
第6章 「謝罪シナリオ」を書く | p.82 | 9分 | |
第7章 直接謝罪に行く | p.98 | 5分 | |
第8章 プレスリリースを出す | p.106 | 4分 | |
第9章 謝罪会見 準備 | p.113 | 16分 | |
第10章 謝罪会見 本番 | p.139 | 7分 | |
第11章 大事な「リスクマネジメント」 | p.152 | 9分 | |
第12章 コンプライアンス研修の実施 | p.166 | 7分 | |
第13章 グッドコミュニケーション | p.177 | 10分 | |
おわりに | p.194 | 2分 |