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2016/11/23更新

18歳から考える経済と社会の見方

  • 蔵 研也
  • 発刊:2016年10月
  • 総ページ数:287P

284分

2P

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  • すぐ使える
  • 学術系
  • 感動する
  • ひらめきを助ける
  • 事例が豊富な

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わかりやすい経済の入門書

経済の仕組みをわかりやすく解説し、現在社会について考えるヒントを提供している一冊。


■国民の豊かさとは何か
アダム・スミスは経済学に対して多大な貢献をしている。最も重要な指摘は次の3つ。

①国富というのは国内生産力のことだと明示したこと
②分業の利益によって生産性は向上すること
③「神の見えざる手」という概念で経済活動の秩序を説明したこと

スミスは、経済的な生産活動こそが、国民の富であると考えた。つまり、国あるいは社会の豊かさとは各種の財・サービスの生産能力のことであり、社会に存在する金や銀などの貴金属の量ではないと明示した。当時の社会の支配的な常識は「重商主義」であり、社会や国の豊かさというのは、金や銀などの貴金属であると考えられていた。重商主義によると、できるだけ多くを輸出して少なく輸入することで貿易黒字=貴金属を増やせば、国家社会が豊かになると考えられた。

しかし、実際にはより多くの金貨を貯め、市中に出回る通貨の量が2倍になっても、商品価格も2倍になる。実質的な豊かさは変わらない。結局、ある社会の人々が豊かな生活を享受するためには、彼ら自身が有用な商品を作り出す必要がある。輸出品の価値を裏付ける生産性の高さだけが国民の豊かさを決定する。

超短要約

分業の進展と技術の進歩のみが、我々の生活を豊かにしてきた。技術の進歩ではないもの、つまり「政府によるその場しのぎの経済政策」などが、我々の長期的な生活水準を引き上げることはありえない。

著者 蔵 研也

1966年生まれ。岐阜聖徳学園大学経済情報学部 准教授 名古屋商科大学経済学部 専任講師を経て、現職。

この本を推薦しているメディア・人物

帯
編集工学研究所所長 松岡 正剛

章の構成 / 読書指針

章名 開始 目安 重要度
プロローグ p.11 4分
第1講 分業 p.19 12分
第2講 交易 p.34 17分
第3講 技術革新 p.56 22分
第4講 マクロ経済学 p.87 14分
第5講 失われた二〇年 p.105 13分
補講1 倫理 p.121 7分
第6講 貨幣の機能と歴史 p.133 23分
第7講 インフレとデフレ p.162 13分
第8講 貨幣の中立性 p.179 18分
補講2 平等 p.202 8分
第9講 銀行論 p.215 16分
第10講 経済変動 p.235 21分
補講3 自由 p.262 10分
エピローグ p.274 5分

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