パフォーマンスの5大原則
①成長を心に決める
成長するには新しい演技を身につける他に、これまでずっとやってきた演技と向き合うことが重要になる。この徹底的な受容には勇気がいる。しかし、物事はこういうものだとか、自分はこれまでと変わることはないという先入観を疑うことが「壁を破る力」の1つとなる。
まず新しい役を演じること。自分以外の人についても、今まで考えもしなかった役割を担うチャンスを探すこと。成長する決意は、得意なことと不得意なことのどちらをするかで常に揺れ動くが、鍛えていない筋肉や弱みを新たな強みに変えることが大切である。
②どこでもアンサンブルをつくる
多様性のあるアンサンブル(共演者集団)を構築すれば、全員が何かを提供しつつ学ぶことが可能になる。新しいアイデアや、ともに話し働く新しい方法を生み出すための素材をもたらすのは、グループの多様性である。アンサンブル構築に参加すると、これまでと違った自己認識をする機会が得られる。自分よりも大きなものをつくる一端を担い、アンサンブルとしてともに演じれば、自分だけに目を奪われることがなくなる。
③耳を傾けて画期的な会話をする
アンサンブルがうまく機能するためには、メンバー同士で話し合いができる必要がある。しかし、会話には聞くことが不可欠で、ほとんどの人は聞くことがあまり得意ではない。アンサンブルのメンバーは、言葉や感情、仕草、言葉以外の音、意図といったオファーを聞き、発展させる。人間は常にオファーを発し、また受け取っている。しかしほとんどの人は、オファーにどう対処したらいいのかわからなくて不安なので、今までの行動を続けてしまう。しかし、聞き手を演じ、オファーを聞いて発展させる能力を身につければ、あらゆる可能性とチャンスが開ける。
④ゴミから創造する
成果偏重主義に染まると、成果に至る社会的・創造的プロセスを見失ってしまう。結果がどうであれ、人間のありふれた創造プロセスに注目し、称賛し、研究し、発展させ、探求することが必要である。人間は創造者として商品や文化を作っているが、それにはゴミも含まれる。ゆえにゴミからも創造できると気づくことである。
⑤人生を即興で演じる
人生において何かが起きる。この出来事を知覚し、そこから発展する形で反応する。こうした即興による行動は何十何百とあり、かつては新鮮だった。それがやがて日々の台本となる。学び、成長し、発達し続けたければ即興は欠かせない。即興のコツは次の6つ。
1.イエス、アンドで答える
2.相手をよく見せることに注意を払う
3.失敗を歓迎する
4.フォロワーをフォローして共同作業を生む
5.アクシデントを楽しむ