「経営の神様」ジャック・ウェルチが、リーダーシップやマネジメントをテーマに、アドバイスを綴った一冊。


■常に一貫性をとる
人は会社と彼らの人生が良くなるように願って、毎日、一日中働く。そして働いていく中で、人は生きる意義を見つける。それが全てではないが、仕事は人生の目的の大きな部分を占める。だからこそ、会社やチームが音や動き、怒りに囲まれて何の意味もない職場から逃れられない状態は最悪だ。前向きな行動、成長、勝利につながるものもなければ、それは単なるつまらない仕事だ。

この問題を解決するのに必要なのは一貫性を取ること、そしてリーダーシップだ。このどちらも同じぐらい重要だ。一貫性が必要なのは次の3つである。

①ミッション：組織が目指すところをきっちりと指し示す
②行動：ミッションを実現するための社員の考え方や感じ方、コミュニケーションの仕方
③結果：仕組みを強化するもので、昇進やボーナスなど

一貫性があれば、堂々巡りをすることはなくなる。進歩が見え、つまらない仕事が消えてなくなる。

成長は心の持ちようだ。姿勢だ。リーダーから組織の下の方へとその姿勢は伝わっていく。全社員が成長企業で働くんだと思いながら毎朝出社すべきだ。そうでなければ、成長は達成できない。日々成長を考え、成長、成長と口にしなければ、成長はおぼつかない。低成長時代に成長するにはどうすればいいのか？

・ミッションと行動に一貫性を持たせること
・業績を上げ、イノベーションを起こすようにやる気を起こさせるリーダーシップ
・業績向上のためにデータを丹念に見て、迅速で機動的な戦略立案を活用する
・最新の組織構造を導入する
・生産性を気にかける

こういった活動をすれば成長が促進される。さらに成長を強化する効果的な方法が6つある。

①新鮮な視点を持つこと
②何をするにしても、経営資源を分散させないこと
③イノベーションの定義を見直し、誰もが自分の仕事として考えるようにすること
④最優秀な人材を成長のために投入すること
⑤褒賞を正しく行うこと
⑥反対者をこちら側に引き入れること

著者 ジャック・ウェルチ

1935年生まれ。GE 元CEO 1960年、GE入社。1981年、同社の第8代会長兼CEOに就任。その経営手腕はフォーブス誌が2000年に「世紀の経営者」と称えたほどである。 GEの経営から引退した2001年に刊行した『ジャック・ウェルチ わが経営』は全世界でベストセラーを記録。続いて妻のスージー・ウェルチとの共著『ウィニング 勝利の経営』もベストセラーに。 ここ10数年間はプライベート・エクイティ(PE)クレイトン・デュビリエ・ アンド・ライスにスペシャル・パートナーとして参画すると同時に、IACインタラクティブコープの顧問を務める。2010年にはオンラインMBAプログラムを提供するジャック・ウェルチ経営大学院を創設、現在900名の学生が学んでいる。

ジャック・ウェルチ経営大学院 諮問委員 ベストセラー・ビジネス書の著者、テレビコメンテーター、ビジネス・ジャーナリスト。 人生で成功するための意思決定法を書いた前作『10-10-10』はニューヨーク・タイムズ紙ベストセラーとなった。 ハーバード・ビジネス・スクール卒業後、ベイン&カンパニーを経て、ハーバード・ビジネス・レビュー誌の編集者を務め、現在はジャック・ウェルチ経営大学院の諮問委員。動物の権利保護を訴えるNPO団体の活動にも積極的に関わっている。