スタンフォード大学の学生が「成功する理由」
「成長型マインドセット」を教えるために、スタンフォード大学では学生に「アヒル症候群」の話をする。これはスタンフォード大学の新入生に蔓延する考え方で有害な2つの特徴がある。1つ目は成功することや、最も優秀な成績で卒業することがとても重要だと信じること。2つ目は「成功するために必死に努力しているわけではない、と周囲から見えるようにすることが重要だ」と信じることである。この2つが同時に発症すると成長型マインドセットを妨げる。
大学に入学する学生の多くは、それまでの人生でずっと、自分をできるだけ良く見せるよう訓練されてきた。失敗を避けたいという欲求が邪魔をして、「可能性にチャレンジしない」という選択をすることがある。「努力や苦労しているところを表に出さない」ことを目的にすると、彼ら自身を成功へ導いてくれる物事から遠ざかることになりかねない。
時間管理術
やりたいこと「すべてをこなす」ための一番のポイントは、完璧にやらなくていいことである。何かをやり遂げるために「こうあらねばならない」といった杓子定規なやり方でやるのではなく、自分らしく仕事をすることを許してあげるのである。
やらなければいけないことを先延ばしにする癖を受け入れ、活用する方法もある。時間管理術を学ぶ時は通常、「やるべきことは、一旦放っておきなさい」と言われることはない。しかし、先延ばしすることで最高の仕事ができる。最も気がかりに感じている以外のタスクを「休憩」と位置づけ、やるべきことを終わらせる「絶好のモチベーション」と考えればいい。先延ばししている最中に、最高のアイデアが出たり、素晴らしいプロジェクトが浮かんだりする。「生産的先延ばし」は、仕事のプロセスの重要な要素だと信じることである。
まずは、自分自身が時間と労力をどう管理しているか把握すること。「うまくいくべき」と思う手法を探すのではなく「どうしたら本当にうまくいくか」を見つけることに集中することである。
生産性を上げるポーズ
「やる気がひたすら湧いてきて、やるべきことをやり遂げる助けになるという心の状態」、このマインドセットさえあれば、生産性を高められると考えがちである。でも本当は、物事を成し遂げるのに必要なマインドセットは、何を生み出そうとしているのかで違ってくる。
取り組むべき仕事に対して、間違ったマインドセットを持っているなら、体の姿勢や物理的環境を変えることで、マインドセットは変えられる。「頭の上に両腕を伸ばして立つ」「机の上に足を乗せて、椅子に寄りかかって座る」といった「体を開くポーズ」を取れば、「無力感」を「自信」に変えることができることが証明されている。