「リクナビ」「SUUMO」「ホットペッパービューティー」など、国内最大規模のネットサービスを手がけるリクルートのシステム開発の舞台裏はどのような考えで運営されているのか。リクルートの技術責任者が、リクルートの開発現場の理念や実態を紹介している一冊。
■リクルートはテクノロジー企業
「リクナビ」「SUUMO」「ホットペッパービューティー」などで知られるリクルートは、ネットサービスの全てを自分自身で設計・開発・運用している。しかもその多くが、それぞれの分野で国内最大規模の利用者を抱えている。つまり現在のリクルートは、日本随一のテクノロジー企業という一面も持ち合わせている。
きっかけは2000年、「これからはネットサービスに注力する」とトップが明確にビジネス戦略の転換を打ち出したことだった。そこが転機となり、テクノロジー企業へと大きく変貌を遂げることになる。
リクルートのビジネスの本質は、企業や個人を様々な方法で結びつけ、社会に価値を提供し続けることにある。紙の雑誌がそうだったように、ネットサービスはリクルートが提供する価値そのものを実現している。だからこそ開発も運用も、自身で全責任を負って日々取り組んでいる。
ITによるイノベーションは必ずしも天才のひらめきで生まれるものばかりではない。リクルートのネットサービスにおける進歩の多くは実に泥臭く、地道で丹念な作業の積み重ねによるものだった。現場のITエンジニアが日々の地道な努力を積み重ねて、ある日イノベーションが起こり、ひいては世の中を変えていく。
各論を細部まで把握する努力、メンバー間のチームワークといった愚直な取り組みは、イノベーションの実現には欠かせない。その上で「このテクノロジーで、お客さんに価値を提供したい」「このサービスで、世の中をこんな風に便利にしたい」といった技術者の強い思いが加わることこそが欠かせない。
著者 米谷 修
リクルートテクノロジーズ 執行役員CTO 大学卒業後、1988年にリクルート入社。関連会社向けの会計システムを独自に作るプロジェクトを自ら立ち上げたのを機に、ITの世界に飛び込む。 人材サービス「リクナビ」の開発リーダーを歴任するなど、現在リクルートが主力とするさまざまなネットサービスの立ち上げに携わる。インフラ基盤の専門組織を次々と立ち上げ、システム開発やIT人材育成について独特の手法論を編み出す。
帯 サイバーエージェント代表取締役 藤田 晋 |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
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はじめに | p.1 | 3分 | |
1章 『まずはすべてをひっくり返せ』 ~1993年の原体験~ | p.13 | 10分 | |
2章 『リクルートのIT流儀はこう育まれた』 ~「各論」こそすべて~ | p.37 | 9分 | |
3章 『とにかく修羅場をくぐるべし』 ~新人の成長プロセス~ | p.57 | 10分 | |
4章 『ベトナムで学んだ「人の育て方」』 ~若手にも大きなチャンスを~ | p.79 | 18分 | |
5章 『なぜ世間を驚かせ続けられるのか』 ~最強チームの作り方~ | p.121 | 13分 | |
6章 『一緒にもっとワクワクしよう』 ~未来への種まき~ | p.151 | 9分 | |
おわりに | p.172 | 2分 |