「書く」より「読む」を重視する
6歳までは「書く」ことより「読む」ことを重視した方がよい。そもそも幼児は筆圧が弱いため、うまく書くことができない。書くことにこだわるのは非効率。うまくできない失敗体験として心に刻まれてしまい、学習のモチベーションが下がる恐れもある。
子育ての基本の1つは「大きくなったら誰でもできるようになることを焦って早くからさせない」ということがある。書くことは筆圧が上がるにつれて上達するし、小学生になったら嫌でもアルファベッや英単語を書かされるから焦らなくてもいい。対照的に、子供は読むことが得意。読むたびに「よく読めたね!」と褒めてあげると、それが成功体験となって難しいものほど張り切って読もうとする。
褒めて小さな成功体験を積み重ねる
大切なのは子供を褒めてやる気と自信を伸ばすこと。親から褒められるという小さな成功体験の積み重ねが、子供のやる気を高めて自信を深める。どんなに小さなことでも親から褒められると子供は喜び、驚くほど伸びていく。褒めるのは日常生活のあらゆることが対象になる。読み、書き、計算といった家庭学習だけでなく、ちょっとしたお片づけができた時にも褒めてあげること。成功体験の積み重ねは「自分ならできるし、これからもできる」という自己効力感を生む。勉強なら目標が半分達成できたら大成功。達成率40%でも「すごいね!」と褒めちぎってあげること。
子供が飽きる1分前に切り上げる
読み、書き、計算、いずれも子供の様子を見ながら「飽きる1分前」を目安に切り上げるのがポイント。「読み書き30分、計算ドリル30分」などと親が時間配分しても、子供は飽きっぽいので集中力が長続きしない。「飽きる」というのは脳疲労のサイン。脳が疲れて意欲のない状態では成果は上がらないし、それが失敗体験になっては元も子もない。子供に寄り添って反応を見ていると「そろそろ飽きそうだな」というサインが言動や行動に表れる。そのサインをキャッチしたら、そこで勉強はストップ。
親が楽しみながら手本を示す
親が自ら行動で示すことが大切である。子供が家庭学習に取り組みやすい雰囲気作りは親の役割である。親が熱心に取り組む姿を見せると、子供は親の背中から学び、誰から強制されるでもなく、自主的に勉強や習い事に取り組むようになっていく。
一個人として節度を持って接する
家庭学習では「親と子供は別人格」という心構えで臨むことが大切である。いくら幼くても、我が子一人の自立した個人として尊重する。子供に寄り添って家庭学習をしていると、ベタベタの親子関係になりそうだが、一個人として節度を持って接していると、子供もそのように親を捉えるようになる。