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2016/09/21更新

この世に命を授かりもうして

90分

4P

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大事なのは人生どう生きたのかの中身である

約7年かけて4万kmを歩く荒業「千日回峰行」を二度行った天台宗の僧侶が最後に残したメッセージ。病との向き合い方、死との向き合い方、生きるとはどういうことなのかについて語られている一冊。


■病と向き合う
どうしようかな、なんて悩むことはない。やるかやらないかのどっちか。イエスかノーか。自分の気持ちをこうと決めればいい。手術してうまくいくかいかないかなんて、お医者さん自身だってわからない。神様仏様しかわからない。そんな余計なことに悩まないで、自分自身を納得させることを考えればいい。

もう自分は人生このへんでお終いになってもいいやと思ったら、治療などしなくていいと考える道もある。だけど生きていると色々楽しいこと、面白いことがある。これで死ぬのはもったいない気がする。今ここに生かされている命を大切にしたいなと思ったら、やはり病気に対して真正面から向き合って、もうちょっと頑張ってみようと皆思うのではないか。

超短要約

以前は、長生きできることは幸せなことだ、この世に授けて頂いた命なんだから、大事にして、少しでも長く生きた方がいい、そう考えていた。しかし、病気を得て、自分の体調というのが自分自身で思うように調整できなくなってみると「長く生きられたらそれだけで幸せですよ」なんて簡単に言い切れないのではないかと思うようになってきた。

決して命を粗末にしていいってことではないけれども、大事なのは命の長さよりも、その人生をどう生きたかの中身だから。長生きと言っても百年。地球46億年の歴史で見れば、百年なんてあっという間。あまり長さにこだわらなくてもいいのではないか。

著者 酒井 雄哉

1926年生まれ。天台宗 僧侶 太平洋戦争時、予科練へ志願し、特攻隊基地・鹿屋にて終戦。戦後、職を転々とするがうまくいかず、比叡山へ上がり、40歳で得度。約7年かけて4万キロを歩く荒行「千日回峰行」を1980年、1987年の二度満行。その後も国内外各地への巡礼を行った。1998年より比叡山飯室谷不動堂長寿院住職。2013年9月23日死去。

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帯
俳優 高倉 健
帯2 帯2
小説家 瀬戸内 寂聴

章の構成 / 読書指針

章名 開始 目安 重要度
1 ガンを知る、おのれの不始末を知る p.16 6分
2 病と向き合う p.30 6分
3 死は怖いものではない p.46 8分
4 結縁 p.66 10分
5 歩くことが生きること p.90 11分
6 「苦」を「楽」にする知恵 p.118 7分
7 いま、この瞬間を大切に p.136 4分
8 夢と現実の狭間で見たもの p.146 4分
9 愛別離苦 p.156 5分
10 この世に命を授かりもうして p.168 6分

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