持続的成長を成し遂げる会社は、事業を軌道に乗せた野心的で大胆な創業者の態度と行動を持ち合わせている。組織に視点を向けて、大企業病に陥らずに、持続的に会社を成長させるためにはどのようにすれば良いのかという戦略が提示されている一冊。
■予測可能な3つの成長の危機
成長すると企業は複雑になるが、複雑性は静かに成長を蝕む。このパラドックスこそが、最低限の利益成長をここ10年続けている企業が10社に1社ほどしかないこと、85%の経営幹部が企業が成長できない原因に、コントロール不可能な外的要因ではなく社内の問題を挙げている理由である。
成長を維持する鍵は組織内部に隠れており、あらかじめ知ることが可能なのである。あらゆる企業が見舞われる成長の危機は3つあり、これらは3つとも予測可能であり、避けられることが多い。
①過重負荷
成長著しい新興企業がどんどん規模を拡大しようという時に、経営陣が経験する、社内の機能不全と対外的な勢いの喪失を指す。
②失速
急速に成長する組織が複雑化・階層化し、かつて組織にフォーカスと活力を与えていた明確な使命が見失われて、業績に突然ブレーキがかかる。
③急降下
急降下状態に陥った企業はコア分野で成長が完全に止まり、最近まで成功を支えていたビジネスモデルが急に通用しなくなる。
創業目線こそ、持続的成長を実現するために大企業も中小企業も使える、真に強力な戦略である。
創業目線は、大きく3つの側面に分かれる。
①革新志向
②オーナーマインド
③現場へのこだわり
この創業目線を組織全体に根付かせることで、持続的成長を高めることができる。
著者 クリス・ズック
ベイン・アンド・カンパニー パートナー コンサルティング企業「ベイン&カンパニー」のグローバル戦略プラクティスの共同総責任者を務める。情報、ヘルスケア、コンピュータ、ベンチャーキャピタル等の幅広い業界において、企業が利益を拡大させる持続可能な成長の新しい源泉を追求するプロジェクトに携わる。 英タイムズ紙が選出する「世界で最も影響力のあるビジネス思想家50人」の1人
著者 ジェームズ・アレンベイン・アンド・カンパニー ロンドンオフィス パートナー コンサルティング企業「ベイン&カンパニー」のグローバル戦略プラクティスの共同総責任者を務める。1989年にベインに参画。20年以上にわたり、消費財、燃料、通信、ヘルスケア等の分野において、主に多国籍企業のクライアントに対するコンサルティングに携わる。ロンドンオフィスでは、消費財及び戦略プラクティスの立ち上げに携わる。
TOPPOINT |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
---|---|---|---|
はじめに 成長のパラドックス | p.11 | 11分 | |
第1 章 創業目線:持続的成長にいたるカギ | p.27 | 23分 | |
第 2 章 予期できる 3 つの成長の危機:偉大な企業はいかに道を見失うのか | p.61 | 25分 | |
第 3 章 過重負荷と戦う:創業目線で高成長時の混乱をいかに克服するか | p.98 | 21分 | |
第 4 章 失速をはね返す:成長の鈍化に際していかに過去の輝きを再発見するか | p.129 | 20分 | |
第 5 章 急降下を止める:急落する企業をいかに創業目線で救うか | p.158 | 24分 | |
第 6 章 リーダーのためのアクションプラン:組織のあらゆるレベルに創業目線を根づかせる | p.194 | 27分 |
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