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2016/09/19更新

超一流になるのは才能か努力か?

364分

4P

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改善に向けた意識的な努力をしないと能力は向上しない

一度そこそこのスキルレベルに達し、運転でもテニスでもパイを焼くのでも特に意識せずにできるようになってしまうと、そこで上達は止まる。継続すればペースは緩やかかもしれないが能力は向上し続けると思っている人が多いが、これは誤りだ。一般的に、何かが「許容できる」パフォーマンスレベルに達し、自然にできるようになってしまうと、そこからさらに何年「練習」を続けても向上につながらないことが研究によって示されている。むしろ20年の経験がある医者、教師、ドライバーは、5年しか経験がない人よりやや技能が劣っている可能性が高い。自然にできるようになってしまった能力は、改善に向けた意識的な努力をしないと徐々に劣化していくためだ。

負荷をかけ、壁を乗り越える方法を見つけることで伸びる

「この程度できれば十分」という水準で頭打ちになる一般的な練習方法より、効果的であり、限界的練習に近づくものに「目的のある練習」がある。その特徴は4つ。

①はっきりと定義された具体的目標がある
②集中して行う
③フィードバックが不可欠
④居心地の良い領域から飛び出すことが必要

自らコンフォート・ゾーンの外へ追い立てることなくして、決して上達はない。これは新しく挑戦することであり、こうした壁を乗り越える方法を見つけることが、目的のある練習の重要なポイントである。一般的に、壁を乗り越える方法は「もっと頑張る」ことではなく「別の方法を試す」ことだ。つまり、やり方の問題だ。

最高の技術に至るための方法を指標にする練習こそが重要

目的のある練習だけでは限界がある。限界的練習は他の目的ある練習と、次の2つの重要な点において異なっている。

①対象となる分野がすでに比較的高度に発達していること
②学習者に対し、技能向上に役立つ練習活動を指示する教師が必要

限界的練習は最高のプレーヤーの優れた技能と、彼らがそれを獲得するために実践していることについての知識を踏まえ、それを指標としているのだ。具体的な目標に向けた限界的練習と一般的な練習の区別は極めて重要だ。というのもどんな練習でも、高い能力に結びつくという訳ではないからだ。1万時間練習すれば、誰でも特定分野のエキスパートになれるというのは間違っている。

誰でも能力を伸ばすことはできるが、それには正しい方法が必要である。上達しないのは生まれつきの才能がないためではない。正しい方法で練習していないからだ。