ロビー活動によって、事業活動を左右する条件を整備しなければ、市場から締め出されることがある。海外では自社の事業基盤を獲得するために、当たり前のように行われているロビー活動について、解説しながらその必要性を説く一冊。
■ロビーは悪か
ロビーという言葉は日本人にとって馴染みが薄く、「陳情」「族議員」「特定団体の私利私欲」といったネガティブなイメージを抱いている人は多い。しかし、海外で戦う企業ならば、ロビーが良い悪いという議論ではなく、ロビーがないとその国の市場から締め出されてしまう時代に入ったと感じているだろう。
ロビーを行うロビイストの雇い主は企業であったり、業界団体であったりと様々だ。自らの利益を守るため、あるいは拡大させるために政策決定者に働きかける。ロビーの結果、国民の利益にならず、一民間企業にとっての利益にしかならないのであれば、大きな批判を浴びることになる。そして、決定プロセスの透明化も同時に求められている。不透明さを排除して、オープンなロビー活動が行われるとしたら、それは自分の声や考えで、直接世の中を良くすることになる。「こう言うルールや規格があれば社会はもっと良い方向に向かうはず」という、公益性を出発点とした主張を発信することが、今の日本企業に必要とされている。
世界の意思決定メカニズムは日本とは違う。そのため、TPOに合わせたロビー活動をする必要がある。不利なルールを遵守するのではなく、有利なルールをロビーで獲得する必要がある。
ロビー活動は利益を生む問いうことを認識して、企業の体制を整えていく必要がある。まずは経営層と直結したロビーチームを作ることから始まる。
「なぜ自分たちの意見が正しいのか」を堂々と掲げて、より良い社会を実現するためのロビー活動を、今こそ始めなければならない。
著者 株式会社ベクトル
PR会社 1993年にプロモーションを主軸とする会社としてスタート。2000年よりPR事業を中心とした体制に移行。独立系PR会社として業界トップレベルとなり、2012年上場。
著者 藤井 敏彦経済産業研究所コンサルティングフェロー 多摩大学ルール形成戦略研究所客員教授 2000年在欧日系ビジネス協議会(JBCE)事務局長就任。対EUロビイングに従事。2004年帰国後慶應大学法科大学院客員講師(EU法)、埼玉大学大学院経済科学研究科客員教授(公共政策と企業戦略)等を経て現職。
著者 岩本 隆慶應義塾大学大学院経営管理研究科特任教授 日本モトローラ株式会社、日本ルーセント・テクノロジー株式会社、ノキア・ジャパン株式会社、株式会社ドリームインキュベータ(DI)を経て、2012年より慶應義塾大学大学院経営管理研究科(KBS)特任教授。 「技術」・「戦略」・「政策」を融合させた「産業プロデュース論」を専門領域として、さまざまな分野の新産業創出に携わる。
帯 SBIホールディングス代表取締役 北尾 吉孝 |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
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はじめに | p.8 | 3分 | |
1 これがロビイング戦略だ | p.16 | 7分 | |
2 ロビイストの歩み | p.38 | 13分 | |
3 日本でロビーが遅れた理由 | p.76 | 6分 | |
4 ロビー活動の始め方 | p.94 | 13分 | |
5 欧米のロビーケーススタディ | p.132 | 15分 | |
6 日本のロビーケーススタディ | p.178 | 17分 | |
鼎談「世界で勝つ企業、世界で負ける企業」 | p.228 | 6分 | |
おわりに | p.246 | 2分 |