近大マグロ、タニタの社員食堂など、独自の競争優位を築いている企業には、優れたストーリーがある。自社の経営資源の中から、顧客の心をつかむストーリーを見つけ出し、戦略に合致させるための方法論。
■優れた企業は物語を持っている
物語というのは、従来とは異なる「ものの見え方」を提供してくれる。見慣れたものが「他とは違う」価値を持つように思えてくる。それが物語の力である。市場で独自の地位を築いている企業は、こういった物語を持っている。
・ルイ・ヴィトン
タイタニックの乗客の荷物の中にあったルイ・ヴィトンのトランクは沈まず、それにつかまって助かった乗客がいた。
・ボルボ
3点式シートベルトを発明し、安全な社会のために特許を無償提供した。
・パタゴニア
勤務時間中であっても社員はサーフィンに行くことが許されている。
シンボリック・ストーリーとは、以下の要件を満たす物語である。
①企業の強みを象徴している
②企業の戦略方針に合致している
③思わず人に話したくなる
市場で独自の地位を築いている企業は、こういった物語を持っている。その企業の強みに、独自の物語が加わり、人々の共感を得ることができれば、他社との決定的な差別化要因になる。
著者 牧口 松二
マーケティング・ディレクター 広告会社に入社後、ブランドコンサルティング会社の創立メンバーに加わり執行役員に就任。その後現職。製造業、流通業、店舗型サービス業界を中心に、事業戦略、ブランド戦略の策定・実行支援、サービスクオリティマネジメントなどのプロジェクトを数多く手がけている。
著者 岩井 琢磨コミュニケーション戦略プランナー 広告会社に入社後、インストア・プランナー、クリエイティブ・ディレクター、ブランドコンサルタントなどを経て現職。 製造業、流通サービス業界を中心に、企業ブランド戦略および企業コミュニケーション戦略の策定・実行支援のプロジェクトを数多く手がけている。 日本マーケティング学会会員・マーケティングサロン委員、日本広報学会会員。
日本経済新聞 専修大学教授 徳田 賢二 |
週刊ダイヤモンド 2016年 6/18 号 [雑誌] (最新 医学部&医者) 丸善・ジュンク堂書店営業本部 宮野 源太郎 |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
---|---|---|---|
第1章 伝説の物語──企業の見え方を変える力 | p.11 | 11分 | |
第2章 シンボリック・ストーリー──情報化社会における経営資源 | p.31 | 12分 | |
第3章 物語を武器にする会社──逆転・進出・生き残りをかけた戦い | p.53 | 21分 | |
第4章 マネのできないビジネスモデルを描く──物語戦略の構築 | p.92 | 15分 | |
第5章 地上の星はどこにあるか──シンボリック・ストーリーを探す視点 | p.121 | 38分 | |
第6章 物語のマネジメント──組織を強くする仕組みをつくる | p.193 | 7分 |
社員をサーフィンに行かせよう―パタゴニア創業者の経営論 [Amazonへ] |
異業種競争戦略 [Amazonへ] |
サービスが伝説になる時 新装版 [Amazonへ] |
企業戦略論【上】基本編 競争優位の構築と持続 [Amazonへ] |
WHYから始めよ!―インスパイア型リーダーはここが違う [Amazonへ] |
トヨタ生産方式―脱規模の経営をめざして [Amazonへ] |