1000人を超えるトップリーダーに取材してきた著者が、優れたリーダーに共通する点を紹介すると共に、これからのリーダーに必要とされる考え方を示している一冊。
■最高のリーダーは何もしない
リーダーというと「即断即決・勇猛・大胆」「ついていきたくなるカリスマ性」「頼りになるボス猿」というイメージを持つ方も多いが、こうしたリーダー像は過去のものになりつつある。
従来の「強いリーダーシップ」は、消費者の価値観やニーズの多様化、変化のスピードによって機能不全に陥っている。こうした状況下で、リーダーが自社の商品・サービスのすべてを把握し、それぞれに対して意思決定をしていくのは不可能である。
今、最前線で活躍しているリーダー達は、権限を現場に引渡し、メンバー達に支えられる事で、組織・チームを勝利へと導いている。優秀なリーダーほど「リーダーらしい仕事」を何もしていない。同時に、一流のリーダーの多くは、内向的で、心配性で、繊細であるという点で共通している。
リーダーの指示やマニュアルに従って忠実に働く人ではなく、リーダーの「ビジョン」に基づき、自ら考え行動できるメンバーが、仕事の成否を左右する時代に入った。消費者のニーズが1分1秒で変わっていくような世界では、新たな課題を自分で発見し、その解決策を自ら考え、実行できる人材を育てる必要がある。
これからのリーダーには次の2つの能力が求められる。
①メンバーが共感して自ら動きたくなる、魅力的なビジョンをつくる力
②ビジョンをメンバーにしっかりと伝えて浸透させる力
著者 藤沢 久美
1967年生まれ。シンクタンク・ソフィアバンク代表 大学卒業後、国内外の投資運用会社勤務を経て、1996年に日本初の投資信託評価会社を起業。同社を世界的格付け会社スタンダード&プアーズに売却後、 2000年にシンクタンク・ソフィアバンクの設立に参画。2013年、代表に就任。 そのほか、静岡銀行、豊田通商などの企業の社外取締役、文部科学省参与、各種省庁審議会の委員などを務める。 2007年、ダボス会議「ヤング・グローバル・リーダー」、翌年には「グローバル・アジェンダ・カウンシル」メンバーに選出され、世界の首脳・経営者とも交流する機会を得ている。 テレビ番組「21世紀ビジネス塾」(NHK教育)キャスターを経験後、ネットラジオ「藤沢久美の社長Talk」パーソナリティとして、15年以上にわたり1000人を超えるトップリーダーに取材。大手からベンチャーまで、成長企業のリーダーたちに学ぶ「リーダー観察」をライフワークとしている。
PRESIDENT (プレジデント) 2016年5/30号 |
PRESIDENT (プレジデント) 2016年5/2号 |
週刊東洋経済 2016年4/16号 [雑誌] スコラ・コンサルト プロセスデザイナー 柴田 昌治 |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
---|---|---|---|
はじめに 内向型リーダーのための導火線 | p.1 | 3分 | |
第1の発想転換 「人を動かす」から「人が動く」へ ──なぜ優秀なリーダーは「何もしない」のか? | p.21 | 16分 | |
第2の発想転換 「やるべきこと」から「やりたいこと」へ ──「魅力的なビジョン」をつくるには? | p.57 | 16分 | |
第3の発想転換 「命令を伝える」から「物語を伝える」へ ──人・組織にビジョンを浸透させる | p.93 | 15分 | |
第4の発想転換 「全員味方」から「全員中立」へ ──リーダーは「嫌われない人」を目指せ | p.127 | 15分 | |
第5の発想転換 「チームの最前線」から「チームの最後尾」へ ──「任せて見守る」チームマネジメント | p.161 | 12分 | |
第6の発想転換 「きれいごと〈も〉」から「きれいごと〈で〉」へ ──リーダーに求められる「社会貢献」の視点 | p.187 | 12分 | |
おわりに | p.213 | 1分 |