ロボット、遺伝子、ビッグデータなど、最近のテクノロジーの進歩を紹介しながら、将来の社会に与える影響について書かれている本。
■進歩と富は公平に分配されない
身近で働くロボットが増えるにつれ、グローバル経済は人工知能と機械学習が駆り立てる大変革を経験する事になる。過去に経験した農業革命、デジタル革命の時と同じように、労働力には重大な変化が起きる。一方、ライフサイエンスの劇的な進化によって、我々は過去のどの時代よりも長く、健康に生きられるようになる。但し、その金を出せる余裕のある人だけにである。ロボティクスもライフサイエンスも、恩恵は公平には行き渡らない。ブレークスルーを作り出せる人、あるいは取り入れる力のある人と、はるか後方に置かれている人との間で、くっきりと差がつくだろう。この状況で社会は、変化に応じて自らを変えていく道を見つけなければならない。
イノベーションによる進歩と富は公平に分配される訳ではない。一部の人は儲けるだろう。だが多くはかやの外に置かれる。デジタルの力が牽引したグローバル化とイノベーションの直近の波とは違い、次の波は大勢を貧困に逆戻りさせるかもしれず、世界中の中流層にとってつらいものになるだろう。
イノベーションとグローバル化の波は、勝者と敗者を分けた。勝者の1つの形は、急成長する市場と有望な発明の周りに集まる、投資家と起業家と高いスキルを持った働き手だ。勝者のもう1つの形は、途上国に住み、それまでの貧困層から中間層に上がれた10億人以上の人達だ。国がグローバル経済の仲間入りをしたおかげで、労働力の相対的な安さが彼らの大きな強みになった。一方、敗者にはアメリカやヨーロッパのような人件費の高い地域に住む、技術の進歩や市場のグローバル化にスキルが追いつかない人達が挙げられる。
イノベーションによる進歩と富は公平に分配される訳ではない。一部の人は儲けるだろう。だが多くはかやの外に置かれる。デジタルの力が牽引したグローバル化とイノベーションの直近の波とは違い、次の波は大勢を貧困に逆戻りさせるかもしれず、世界中の中流層にとってつらいものになるだろう。
著者 アレック ロス
1971年生まれ。ジョンズ・ホプキンス大学客員研究員 第1期オバマ政権で国務省上級顧問を務め、外交政策とイノベーションの専門家として活躍。
帯 Google 元CEO エリック・シュミット |
帯2 LinkedIn 共同創業者 リード・ホフマン |
週刊ダイヤモンド 2016年 6/25 号 [雑誌] (創価学会と共産党) 八重洲ブックセンター八重洲本店 販売課リーダー 鈴木 寛之 |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
---|---|---|---|
はじめに | p.7 | 12分 | |
1. ロボットがやってくる | p.27 | 27分 | |
2. ゲノムの未来 | p.71 | 29分 | |
3. 通貨・市場・信用のコード化 | p.117 | 43分 | |
4. コード戦争時代 | p.186 | 27分 | |
5. 情報化時代の原材料――データ | p.230 | 31分 | |
6. 未来の市場の地勢 | p.280 | 49分 | |
終わりに この世で最もだいじな仕事 | p.359 | 9分 |