赤ん坊の名前は先が読めない
将来、どんな名前が流行って、どんな名前が廃れるのかは予想できるのか。ここ数年は使われてた名前の内、絶対にこれは廃れるって名前を1つ選ばないといけないとしたら、選ぶのはカトリーナかもしれない。街を1つ、ほとんど丸ごと吹き飛ばしてしまったハリケーンと同じ名前を自分の赤ん坊に付けたいなんて人はいる訳ないだろう。
実際、ハリケーン・カトリーナ後の12ヶ月間を見ると、確かにこの名前は選ばれなくなっている。女の子の名前人気ランキングでは247位から382位と大幅に下がっている。しかし、ハリケーン・カトリーナに一番ひどい被害を受けた州2つを取り上げて、ハリケーンの前後それぞれ12ヶ月で見ると、この名前はむしろ後の方がよく選ばれている。ひょっとすると、ルイジアナで新しく親になった人達は、自分達があの嵐を生き延びた証として、赤ん坊にカトリーナという名前を付けたのかもしれない。ハリケーンの後、ルイジアナとミシシッピで、カトリーナと名付けられる赤ん坊が増えると予想した人は知る限りいない。
コカ・コーラの秘密のレシピが手に入るとしたらペプシはいくら出す?
コークの秘密のレシピは、ペプシにとってほとんど何の価値もない。ペプシがコークの秘密のレシピを手に入れてそれを公表し、コークと全く同じ味のする飲み物を誰でも作れるようにしたとする。これは処方箋の特許が切れて、ジェネリック薬品の会社が製造に乗り出す時の状況にそっくりだ。影響はというと、本物のコークの値段は大幅に下がる。たぶんペプシにも悪い事が起きる。コークの値段がとても安くなったので、世の中の人はペプシからコークに乗り換えるだろう。ペプシの方も利益が減ってしまうのだ。
ヤクの売人がウォルグリーンを見習えばほんとに大儲けできるだろう
ある医師は、ジェネリック薬品はまだ高すぎて自分の患者達には手が届かないと言う。ウォルグリーン等の薬局チェーンは、ジェネリック薬品をずいぶん高い値段で売っているそうだ。そこで、チェーン店ではコストコやサムズ・クラブで会員になるとかかる年会費を計算に入れても、びっくりするぐらい値段が違う事に気づいた。
ヒューストンの店で見た、ジェネリックのプロザック90錠の値段はこうだ。ウォルグリーン:117ドル、エッカード:115ドル、CVS:115ドル、サムズ・クラブ:15ドル、コストコ:12ドル。
ウォルグリーンで1瓶117ドルするのと同じ錠剤が、コストコにいけば12ドルで買える。なぜウォルグリーンで薬を買う人がいるのか。いつもウォルグリーンで薬を買ってるならやっぱりウォルグリーンで薬を買ってしまう。ジェネリック薬品の値段なんてどこへ行っても同じだろうと思い込んでしまう。情報の非対称性とはこの事だ。価格の差別化とはこの事だ。