共感を得られるように伝える
ただ「知ってもらう」だけでなく、消費者や取引先、株主や社員、その家族といった受け手の共感や好意を得られるような情報を発信する事こそが、広報が行うべきファンづくりの第一歩である。そういったコミュニケーションのためには、受け手が何を考えているのか、という情報収集も欠かせない。会社のファンが増えると、次のようなメリットがある。
・顧客がどんどん増えていき、売上が伸びてきた
・優秀な人を採用できるようになった
・社員の働くモチベーションが高くなってきた
人が何かのファンになる一番大きな原動力は「共感」である。認知が高まったとしても「共感」が得られなければ意味がない。会社への共感を得るためには「どういう会社なのか」「どういう商品なのか」という、企業ビジョンや企業文化、さらには商品コンセプトなどを明確に伝えなければならない。
広報は経営者を代弁する
広報担当者として重要なのは、会社や経営者の代弁者になる事である。広報担当者は会社の事を語れるようにならなければならず、またその内容が経営者の考えと相反するものであってはならない。会社や経営の戦略をきちんと理解し、それを正しく発信できる力が求められる。そのために、次の点について経営者と密にコミュニケーションを図る必要がある。
・いま、注力している事業は何なのか
・課題と思っているテーマは何なのか
・会社の企業文化や強みはどんなところにあるのか
広報に求められるスキル
広報担当者の基本スキルとなるのはコミュニケーション力であり、次の3つの基礎力である。
①読み書き
プレスリリースなどは、ぱっと見て一瞬で「魅力的に伝える」事ができるかが勝負。そのためには次の3つが大切である。
・専門用語を使いすぎない
・見出しでニュース性や明確なメッセージを表現する
・プレスリリースであれば、どのような記事になったのかを確認し、その後の文を書く時に活かす
②聞く話す
情報は待っていてもやってくるものではない。広報のネタは積極的に取りにいかなければならない。そこで、いろいろな角度から質問を投げかける事で社員からネタの素材を引き出したり、あるいはどんな内容だったら記事に取り上げたくなるのかを記者から聞き出しておくという日頃の努力が欠かせない。そのためには質問力や雑談力が必要である。
③編集力
たくさんある情報をどう組み合わせて、ストーリーを組み立てるのかは広報として重要なスキルである。広報はメディアではなく、あくまで企業の情報発信者なので、メディアが取り上げたくなる、メディアが企画を考えやすくなる、画づくりが思い浮かびそうなストーリーを描く事を意識する。時流や届けたい相手を考えて、どういう伝え方をすれば興味を引く事ができるのかを考える。