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2016/03/23更新

ビッグバン・イノベーション――一夜にして爆発的成長から衰退に転じる超破壊的変化から生き延びよ

334分

10P

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製品ライフサイクルはもはや「キャズム」に従わない

ビッグバン・イノベーションの特徴は、次の3つの要因によってもたらされている。

①製造コストの低減 → 枠にとらわれない戦略
②情報コストの低減 → とめどない成長
③実験コストの低減 → 自由奔放な開発

この3つのコストの低減によって、製品やサービスのライフサイクルは短縮し、釣り鐘曲線は左右非対称に変わり、産業に破滅的な影響を及ぼしてきた。ビッグバン・イノベーションでは、製品やサービスは一気に売れるか、全く売れないかのどちらかしかない。その普及モデルは、屹立した崖のような形を描く。このモデルを「シャークフィン(サメのひれ)」と名付ける。シャークフィンは4つのステージからなる。それぞれの特徴とそこでの対応は次の通りである。

①特異点
イノベーター企業は市場でじかに実験を行い、何度も失敗する。失敗した実験は、間もなく訪れる変化のシグナルでもある。

・ルール
将来を明確に見通す。別の産業から現れる破壊的変化の予兆を見逃さない。新製品や新サービスを投入するタイミングをピンポイントの精度で見抜く目を持ち、サプライヤーや顧客と協業する新たな方法に取り組む。

②ビッグバン
初期の実験が技術の絶妙な組み合わせとビジネスモデルとをもたらす時、実験は新たな市場を創出し、あらゆるセグメントの顧客が破壊的製品やサービスに殺到し、既存産業を崩壊に導く。

・ルール
破壊的製品の爆発的普及とひとり勝ち市場に備える。持てる力を最大限に発揮して相手の活動の進行を遅らせ、できるだけ長く戦うか、場合によって相手を買収する。

③ビッグクランチ
ビッグバン・イノベーションの内破は早い時期に訪れる。あらゆるセグメントの顧客が一斉に雪崩を打つため、市場は記録的なスピードで飽和に達する。破壊的製品やサービスは成熟期を迎え、イノベーションは漸進的になり、成長速度も落ち、産業は一種の死を迎える。

・ルール
破壊的製品やサービスによって市場が飽和状態になった時に、生産と流通を即座に停止できる態勢を整えておく。急激に価値を失う可能性のある在庫や資産、知的財産を処分する準備を怠らない。破壊的変化を読み取り、市場から撤退するタイミングを見極める。

④エントロピー
手元に残ったほとんど形のない資産は、砕け散って新たな特異点を作り出す。古い製品の市場が生き残ったとしても、もはや大きな市場ではない。

・ルール
古くなった技術の新たな活用法を探る。その技術が別の分野のイノベーター企業にとっては、まだ価値を持つ場合も多い。新たな市場を創出するために必要な技術を確認して、次の特異点を作り出す。