成長を加速させる2つの要件
スキルを増やす事や個別のスキルを究める事は、必ずしも「成長」ではない。それは単なる「型」や「術」の習得に過ぎない。継続的な成長を実現させるためには、個別スキルの習得を超えて、2つの要件が求められる。
①スキルの「使い方」を身に付けること
まずTPOをしっかりと認識し、それを踏まえて、どのようなアプローチが有効かを考える。スキルをどのような場面でどのように使うかは、人から学んで習得できるものではなく、ひたすら場を経験する事で実践を重ね、磨いていくしかない。
②マインドセット(基本姿勢)
マインドセットができていないと、個別のスキルを磨いてもその使い方を磨く事ができない。他人の答えで仕事をするフォロワーから、自分の答えで仕事をするリーダーになるには、3つのマインドセットを持って、壁を越える必要がある。
1.他者への貢献に対する強い想い
「クライアントの役に立てるようになるために成長したい」という気持ちが一番強い成長の原動力になる。
2.何度もチャレンジを継続できる折れない心
できるかできないか不明な状況でも足を止めず、諦めずにやってみないと、成長はできない。
3.できない事実を受け入れる素直さ
長期的に成長し成功しているコンサルタントには、失敗した時やうまくいかない時に、まず「自分に原因があるのではないか」と考え、客観的に振り返る素直さや謙虚さが備わっている。そこから改善点を見つけて、建設的により良い解ややり方を追求していく事ができる。
短期間でマインドセットを変えるための行動様式
BCGにおいて、大きな成長を遂げたコンサルタントの行動様式には、いくつかの共通項がある事がわかってきている。
①クライアントと対峙する場に飛び込む
②小さな成功体験を積む
③挫折、失敗経験を上手に振り返る
④立場が変わる
伸び悩みを突破するために必要なこと
成長=「目指す姿」と「現状」のギャップを埋めること
この定義に則って考えると、成長するためには、正しい目標設定と正しい自己認識の2つがセットで必要という事になる。どちらが欠けていてもダメである。間違った目標設定や自己認識には、いくつかのパターンがある。
・目標設定の落とし穴
①具体性のない「スローガン」を掲げる
②目標にそぐわない「憧れの人」というロールモデルを置く
③目の前の「モグラたたき」に夢中になる
・自己認識の落とし穴
①できていない原因を自分の外に探す
②永遠の「青い鳥探し」をする
③過去の経験に基づく無意識の思考のクセから抜け出せない
この陥りやすい「落とし穴」を認識する事で、正しい目標設定と自己認識を正しくセットするヒントが得られる。