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2016/02/29更新

HOLACRACY 役職をなくし生産性を上げるまったく新しい組織マネジメント

272分

7P

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権力を分配する

リーダーでさえも、他人の権力を横取りできないという権力構造とプロセスを中核にする組織なら、権限を与えてくれるリーダーに頼る必要はもはやない。そこに気づく事が、ホラクラシーへの第一歩だ。これは全員に与えられる自分の権限を行使できる空間とポジションに関わらず、どんな個人が行う活動でも、その空間が保護されるシステムである。

ホラクラシーにおける権限の分配とは、リーダーの手から権限を取り上げて、ただ他の誰かに譲り渡す事ではない。権力の座はトップの人物から「プロセス」へと委譲される。このプロセスは成分憲法で詳しく規定される。そのルールとプロセスが最高の拠り所となり、それを採択した人物にさえ勝る。

ホラクラシーの導入を決めた組織が実行する最初のステップは、CEOが正式にホラクラシー憲法を採択し、自分の権力をホラクラシーのルールシステムに委譲する事である。ホラクラシーは、権力を分配する事によって組織内の人々を解放し、自律性と協調性を同時に高める。

ホラクラシーでは、組織内で権限を割当てるプロセスに「ガバナンス」という用語を用いる。ガバナンスは意識して定期的に行われ、組織の隅々まで分配されている。ガバナンスは、もはやただ1人のリーダーの機能ではなく、ガバナンス専門のミーティングにおいて、チームごとのレベルで常時行われるプロセスである。ホラクラシーは、従来CEOや経営陣のものとされていた組織を設計する機能の一部を、全員が参加できるプロセスとして配置し、組織の隅々にまで行き渡らせる。このガバナンス・プロセスによって、組織全体に権限が分配されるだけでなく、期待されるものも明確になる。

ホラクラシーを導入するための5つのステップ

①ホラクラシー憲法を採択する
現在の権力保持者がその権力を「ゲームのルール」に明確に委譲する。

②ガバナンスの記録を共有化するシステムを立ち上げる
ガバナンス(サークル、役割、責務など)とオペレーション上の重要情報(評価基準、チェックリスト、プロジェクトなど)の記録を保管し、共有する。

③初期構造を決定する
役割と機能によって組織を構築する。一連の役割と目的、責務、領域をグループ化する。よく使われる方法は、既に活動している部門やチームを単純にサークルに置き換える事である。さらに既に明確に発生している仕事を捉えて、各サークル内で単純な役割を設定する。

④第1回ガバナンス・ミーティングを開催し、選挙を実施する
それぞれの役割に最適な人を割り当てる。

⑤定期的な戦術的ミーティングとガバナンス・ミーティングの予定を組む
サークル内の役割を設けたり、修正したり、取り除いたりしていく。