ザッポスも導入する、新しい組織マネジメントシステムを紹介する一冊。従来の階層型組織でなく、役割と権限を憲法として規定し、個々人の能力を自由に発揮するための組織マネジメントの手法が解説されています。
■ホラクラシーとは
ホラクラシーとは、組織を管理運営するための新しいソーシャルテクノロジーであり、従来型の組織のルールとは異なる、一連の中核的なルールに則っている。ホラクラシーには次のような要素がある。
①「ゲームのルール」を明示し、権限を再分配する憲法
②組織を構築し、人々の役割と権限の及ぶ範囲を規定する新しい方法
③それらの役割と権限をアップデートするあためのユニークな意思決定プロセス
④チームを常に最新の情報に同期化し、一緒に仕事をやり遂げるためのミーティング・プロセス
ダイナミックで打てば響くような組織になりたいと望むなら、独裁的な権力を完全に放棄するだけではうまくいかない。それだけではなく、個人個人が自分の領域や仕事の範囲内で、問題に「局所的に」対処する権力を与えられる必要がある。その際、他のみんなにお伺いを立てたり、権限を授けてくれるようなリーダーに許可をとったりしなくても良い事が大切だ。権限委譲の限界とコンセンサスの横暴を乗り越えるためには、皆に権限を与えるシステムが必要である。
組織には様々なセンサーが備え付けられている。その役割は人間が担い、組織のためになるよう現実の世界にアンテナを張り巡らせている。組織の「センサー」がある重要な情報を感知していながら、無視され、その情報が処理されずに終わってしまう事がよく起こる。ある人が何か重要な事に気づいても、他の誰にもそれがわからないし、その人物の鋭い洞察を生かして有意義な変化を起こす手段がないからだ。
組織は、対処すべき事柄について、私達1人1人が持つ、周りの現実を感知する能力を利用している。人は十人十色で、才能、経歴、役割、専門分野など様々だから、感じる事も人それぞれである。
進化し続ける組織を実現するための強力な方法の1つは、この私達の組織に備わっている人間の意識が持つ、感知する能力を活用する事だ。人間が感知するひずみ(現状とより良い状態との間のギャップ)が、組織の仕事に関わる範囲でテキパキと処理されて効果を発揮するようになれば、臨機応変に進化し続ける能力が開花し、組織は恩恵に浴する事ができる。
ホラクラシー・ワン創設者 元々、CEOを務めていた自分の会社で経営手法を実験しながら、ホラクラシーを開発した。前職では、ソフトウエア企業を設立、指揮して急成長させた。現在は、ホラクラシーをサポートするために設立した組織ホラクラシー・ワンに勤務する。
帯 ザッポスCEO トニー・シェイ |
帯2 生産性向上コンサルタント デビッド・アレン |
帯3 ツイッター共同創業者 エヴァン・ウィリアムズ |
THE21 2016年 03 月号 |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
---|---|---|---|
1章 理想の組織とは | p.12 | 13分 | |
2章 権力を分配しよう! | p.32 | 20分 | |
3章 ホラクラシーの組織構造 | p.62 | 26分 | |
4章 ガバナンス・ミーティング | p.102 | 24分 | |
5章 オペレーション・ミーティング | p.138 | 25分 | |
6章 進行役の全く新しい仕事 | p.176 | 18分 | |
7章 ホラクラシー流の戦略とは | p.204 | 16分 | |
8章 ホラクラシーを導入しよう | p.230 | 30分 | |
9章 全システムを導入できないなら | p.275 | 10分 | |
10章 ホラクラシーがもたらすもの | p.291 | 23分 |
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