どんな種類のフィードバックとして受け止めるか
フィードバックをもらうと、相反する解釈が生まれる事がある。感謝、熱意、やる気が生まれる事もあれば、傷つき、身構え、怒りを感じる事もある。フィードバックをもらった人の反応は、与える人の技量や言葉で決まるとは限らない。むしろ、もらった相手が言葉をどのように受け止めるか、またはどんな種類のフィードバックとして受け止めるかで決まる。
フィードバックには3種類の使い方がある
①感謝
相手の事を見ていると伝える、認めている事や感謝の気持ちを伝える、つながりを保つ、モチベーションを高める。
②指導
受け取る側の知識・スキル・能力の向上を促す。感情や関係性の不均衡に対処する。
③評価
点数やランク、期待している事を伝える、決断の材料を提供する。
フィードバックの難しさの1つに、タイプを混同してしまうという事がある。それには2通りあり、1つは受け取る側の期待するフィードバックとタイプが異なる場合。もう1つは、受け取る側が誤った解釈をする場合だ。
フィードバックのタイプを混同させない
フィードバックのタイプを混同させないようにするために、気をつける事は2つ。
①フィードバックの目的を一致させる
与える側と受け取る側のフィードバックの目的を一致させるには、目的を話しあえばいい。
②指導と感謝のフィードバックは評価と分ける
評価の影響は大きいので、指導や感謝はかき消されてしまう。評価のフィードバックと指導のフィードバックは、少なくとも数日あけて行う方がいい。
自分と相手の違いに目を向ける
フィードバックをもらったら、その正否を判断する前に、まずは理解する必要がある。フィードバックを与える側は、①観察して情報を収集し、②それを自分なりに解釈する、という過程を経てラベルをつくる。彼らはラベルを通じて自分の解釈を語る。人は自分が目にしたものを、その人独自の経験、想定、嗜好、優先順位、物事のあり方や人としてのあり方に関する暗黙のルールに基づいて解釈する。
しかし、どんなアドバイスをもらう時も、その意味が明快かどうかを確かめる事はできる。受け取る側が与える側に適切な質問をする事で、フィードバックが何に基づいて生まれ、どこへ向うものなのかを確認できる。
自分と他人が違うものの見方をする理由を具体的に理解する事は、フィードバックを受け取る時に欠かせない。違いを見出すというレンズを通じてフィードバックを見るようにすると、何を伝えたいのか、それが何によって生まれたのかといった事がわかってくる。フィードバックをもらっている時は、間違い探しは忘れること。そして、違いを見出すスキルを高め、必要に応じて正しい事を指摘するスキルを発揮できるようになる事だ。