人事評価も人工知能が行う日がやってくるのか。AIを人事に利用しているアメリカの事例などを紹介しながら、これからのAIとビッグデータを活用した人事について考える一冊。
■AIとビッグデータが人事を変える
面接では採用されんがために、違う人間を装う事も可能だから、レジュメや面接での言葉もどこまで信用できるかわからない。採用につきまとうこうした落差を埋めるために、これまでは面接官や人事担当者の長年の経験と勘、いわゆる「人を見る目」が頼りにされてきた。しかし、その目利きの正確さのほどは実際には確かめようがないし、どうしても個人主観による偏見が入る事も問題として指摘されてきた。
そこに登場するのが、人工知能とビッグデータ分析の技術発達である。米国の最先端のベンチャー企業の中には、AIを駆使し、すべて行動特性ベースで人間のデータを測定分析する技術を使って、従来の人事が抱える問題を乗り越えるところが出てきている。
AIとビッグデータを活用する事で、企業の人事評価がより客観的で正確なものに進化しようとしている。
AI×ビッグデータは、知識創造のSECIモデルを高速回転させるツールにほかならない。さらに言えば、一握りの優秀な人事パーソンや人事部長の暗黙知だけでとどまっていたノウハウをより多くの人事パーソンに開放する手段でもある。経験知だけの狭い世界にとどまりがちな「人を見る目」も見開かされ、共感力も高まっていくだろう。アナログとデジタルのハイブリッドが進む。
著者 徳岡晃一郎
1957年生まれ。フライシュマン・ヒラード・ジャパン SVP・パートナー・CCWプレジデント 多摩大学大学院教授・研究科長 知識リーダーシップ綜合研究所所長 日産自動車人事部、欧州日産(アムステルダム)を経て、1999年より現職。 人事制度、風土改革、社内コミュニケーション、レピュテーションマネジメント、リーダーシップ開発などのコンサルティング及びトレーニングに従事。
著者 福原 正大Institution for a Global Society(IGS)株式会社代表取締役 大学卒業後、1992年に東京銀行に入行。INSEADにてMBAを取得。グランゼコールHECで国際金融の修士号を最優秀で取得。筑波大学博士(経営学)取得。 2000年、世界最大の資産運用会社バークレーズ・グローバル・インベスターズに転職。欧米のトップスクール教授陣で構成されるグローバルチームで為替の研究と戦略を構築。35歳にして最年少マネージングダイレクター、その後日本法人取締役に就任。 2010年、世界のトップスクールを目指す学生対象のグローバルリーダー育成スクールIGSを設立。
帯 一橋大学名誉教授 野中 郁次郎 |
ビジネスブックマラソン 土井 英司 |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
---|---|---|---|
はじめに | p.1 | 3分 | |
第1章 人事革命はすでに始まっている | p.13 | 14分 | |
第2章 AI×ビッグデータ革命とはいったい何なのか | p.39 | 17分 | |
第3章 日本の「人事」はAI×ビッグデータを受け止められるか? | p.71 | 11分 | |
第4章 アメリカ先進事例レポート | p.91 | 16分 | |
第5章 AI×ビッグデータとこれからの日本組織 | p.121 | 16分 | |
第6章 日本の人事革命に展望:「GROW」の試み | p.151 | 25分 | |
第7章 AI×ビッグデータ時代の「人事」を生き残るために | p.199 | 9分 | |
おわりに | p.217 | 3分 |
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