ハウス食品で30年にわたって、マーケティングリサーチに携わってきた著者が、顧客の潜在ニーズを調査する方法を紹介している一冊。マーケティングリサーチの基本について書かれています。
■Face to Faceが基本
マーケティングリサーチは、企業などの組織が商品・サービスを提供するにあたり、お客様をよりよく知り、お客様のニーズに合った新しい商品・サービスを企画立案し、具現化していくために、経営資源をいかに効率的に運用するかを示す情報収集活動である。商品開発やコンセプト構築に近いものになり、宝探しである。
アンケートやインタビュー、商品評価テストだけをマーケティングリサーチと考えている人が多いが、家庭でも街の中でも電車の中でも、マーケティングリサーチはできる。
クレームや問い合せは、お客様側から企業へのアプローチで、これもマーケティングリサーチである。ネットの発展でお客様同士の口コミが見えるようになってきた。すべてのリサーチの原点は、N=1のFace to Faceにある。
人は本当においしいものを食べると幸せな気持ちになれて笑顔が出る。「感動するようなおいしさ」「家族や友人知人に伝えたくなる、教えたくなるようなおいしさ」を目指す事が必要である。それが「おいしい」のマーケットリサーチである。どのようにおいしいかは、表現するのが難しいが、おいしさの程度は顔に出る。観察と経験が大切で、食領域ではこれがイノベーションの根本かもしれない。大切なのは、お客様をより正しく理解する事である。
著者 高垣 敦郎
1952年生まれ。サーチクリエイション代表 大学卒業後、当時ハウス食品工業株式会社に入社。関東工場、研究所、ソマテックセンターを経て2002年開発支援部長。2004年東京本社調査室長、2007年お客様生活研究センター長として2013年9月定年まで勤務。2014年ハウス食品グループ本社株式会社を退職。 2014年、食とリサーチのコンサルティング会社「サーチクリエイション」設立、主に、「新食品開発のためのリサーチ」「若手のマーケティングリサーチ研修」を実践している。
帯 インテージ元代表取締役会長 田下 憲雄 |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
---|---|---|---|
第1章 マーケティングリサーチは宝探し | p.1 | 11分 | |
第2章 すべての基本は、お客様を正しく理解すること | p.19 | 28分 | |
第3章 セカンダリーデータと市場観察からの宝探し | p.65 | 36分 | |
第4章 データ分析 2つの事例 | p.125 | 17分 | |
第5章 食の心理学という視点の宝探し | p.153 | 23分 | |
第6章 おいしさの理解 | p.191 | 28分 | |
第7章 新市場創造の突破口を開くために | p.237 | 24分 | |
あとがき | p.277 | 4分 |
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