欲しいものを望め
何かを望むことは、問題解決のためのウォーミングアップ。まずは「やりたい事を実現するにはどうしたらいいのだろう?」「やりたい事をしたら、どんな事が起こる?」といった質問をしてみよう。この段階で自分の思考に制限をかける必要はない。たとえ一瞬でも、望む事によって自分の限界から離れる事ができる。今後掘り下げる価値のあるものが見出せる。
考える前に感じろ
目標が見えたからといって、いきなり企画立案に突入するのはよくない。心を静めてじっくりと耳を澄ます事を覚えよう。しつこく訴えかけてくる声に、なぜだか引っかかる事柄に、注意を払うのだ。まずはグッとこらえ、十分に時間を割いて、自分の感覚や感情を探り、関連する様々な問題をじっくり考えてみよう。必要なのは感覚だ。
まだないものを見通せ
この世にないものを見通すポイントは、画家やデザイナーが「ネガティブスペース」と呼ぶ部分を見つけること。ネガティブスペースとは、絵画の無地の背景部分、ページの余白、台詞と台詞の間、休止符で表された無音の部分のこと。ネガティブスペースは、芸術の世界ではれっきとした意味や目的を持つ構成要素である。ビジネスではチャンスが隠れていそうな「隙間」と言える。ネガティブスペースを見つけるための手法は3つ。
①隠れた可能性を探るために、脅威を取捨選択する。
②変化がまだ部分的にしか及んでいない分野や部門に着目する。
③新たなトレンドが既存の「標準」にどう影響しそうか想像してみる。
より大きな問いを立てよ
「枠組み」というのは、問題の範囲を明確にし、際限なく拡散するのを防ぐための境界線だ。焦点を絞り、解決への取り組みの方向を示唆し、投資の限度を決め、解決の成否の尺度を定める。こうした枠組みが間違っていると、他の一切合切もうまくいかない。あえて批判眼を光らせ、自問し、問題を掘り下げてみよう。新しいものを生み出そうとする時にまず問うべきは、いかにではなく、何をである。
問題の枠組みはタイトに
境界線がないと、突破する刺激がない。自由を与え過ぎると悲惨な仕上がりになる。余計な機能が多すぎる、凝り過ぎる、焦点が定まらない。天才に与えるべき最高の贈物は、自由ではなく制限である。創造性の高い人々が行き詰まるのは、解決法が見えないからではない。問題がはっきり見えないからだ。問題を明確にする枠組みづくりのコツは次の通り。
①問題を文章に書き出す。
②制約をリストアップする。
③アフォーダンスをリストアップする。
④期待できる「成功」を書き出す。