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2016/01/26更新

考え方の教室 (岩波新書)

  • 齋藤 孝
  • 発刊:2015年11月
  • 総ページ数:240P

170分

2P

  • 古典的
  • トレンドの
  • 売れ筋の
  • すぐ使える
  • 学術系
  • 感動する
  • ひらめきを助ける
  • 事例が豊富な

対象読者:

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ともかく、やってみる

考える力を伸ばすには、具体的でなおかつ幅広い発想を許すような課題を設定する事である。例えば何か「企画を考案する」課題を出す。「企画」とは、例えば「順番」を考えるだけでも新しくできてしまう。「選んで順番を考える」というのは、アンソロジーをつくる発想である。自分の好きなものを編みなおすというのは、自分の感性を解き放ついい練習になる。

ダマされたと思って、手を動かしてみる

大事なのは、問題を「解決」しようとするよりもまず「整理」すること。問題が何なのかわかれば、それは幽霊の正体がわかった事と同じである。解決法や対処法というのは、整理する事によって、おのずと表れてくるものである。「考える」という作業は、まず何よりも「モヤモヤしない」という事である。はじめの内は「考える」というのは整理する事なのだと捉えると、見えてきやすい。そしてこの「整理」という作業において有効なのが「自分の手を動かして書いてみる」という事である。まずはノートの見開きに、いま自分が抱えている問題をあれこれ考えて、全部書き出してみて下さい。すると問題がいったん外に出て、自分でそれを眺める事ができるようになる。

魔法の言葉を唱えてみる

「工夫する」という言葉が「魔法の言葉」である。「考える」という事は、実践的には「工夫する」事である。「工夫」は「考え方」を学ぶプロセスの中で大変重要な言葉で、工夫する事がすべてだと言ってもいい。「考える」というと頭の中でやるイメージが比較的強いが、工夫という言葉は実際の動作や作業を意味して、現実の中に新しいものを創りだしていく精神につながる。今日一日やって事の中で、自分なりに何か工夫しただろうかと考えてみる。自分にあった工夫の仕方を選ぶためには、教える側が「あなたはどういう工夫をしますか?」と聞き続ける事が大切である。

発想力を鍛えてみる

空想する時に鍵になるのは、ある種の「遊び感覚」を持ち続ける事である。こう変えたらどんなに面白くなるだろう、という発想である。新しい価値や意味を生み出すためには、こういう遊び感覚を持っている必要がある。

発想力や空想力を培っていくために、例えばブレイン・ストーミングのような形で何人かで集まって好き放題言い合うというのは、1つのきっかけになりえる。くだらない事を好き放題に言うというのは、カオス(混沌)を作り出す事である。そこから秩序を生んでいく。遊びが生まれてくる時というのは、この混沌化と秩序化の両方が行われている。遊びには大抵「ルール」はある。ルールとは秩序であり、限定である。これをどう設定するかで遊びの面白さが変わってくる。「限定」を上手く設定するという事が、ものをうまく考えるためのコツでもある。