「消費をすることが幸せだ」というこれまでの資本主義の考え方が、変化してきている。欲しいものがないとする多くの人達が、幸せという価値観を見直しはじめていることを紹介している一冊。
■物欲レスの時代
もう欲しいモノは特別ない。食に関すること以外は、欲しいモノはもっと少なくていい、そう感じている人が多くなっている実感がある。ここではその状態を「物欲レス」と呼ぶ。そう思うようになってくると、いろいろな価値観が揺らいでくる。欲しいモノがあまりない世界というのは、何を目標とすればいいのか。その世界では何が幸福と見なされるのか。
今、一番メディアで語られている単語の1つは「ライフスタイル」であるという。ライフスタイル・ブームとは、消費社会の成熟を示すものであり、今や人々は単に商品が欲しいのではなく、商品にまつわる物語や生活提案を求めている、ゆえに商品だけを売るのではなく、商品にまつわるライフスタイルを提案しなければいけない。ライフスタイルというのは、新たな、そして巨大な消費のジャンルとなりつつある。
物欲は減り、モノは個人ではなく皆で持つものに。そしてモノより所有よりも行動やサービス、知識がより重要視される時代が訪れようとしている。
著者 菅付雅信
1964年生まれ。編集者 グーテンベルクオーケストラ代表取締役 雑誌「コンポジット」「インビテーション」「エココロ」の編集長を務め、出版からウェブ、広告、展覧会までを編集する。 書籍では、朝日出版社「アイデアインク」シリーズ、電通の「電通デザイントーク」シリーズ、平凡社のアートブック「ヴァガボンズ・スタンダート」シリーズを編集。著書に『はじめての編集』『中身化する社会』など。 下北沢B&Bにて「編集スパルタ塾」を開講中。多摩美術大学非常勤講師として「コミュニケーションデザイン論」を担当する。
帯3 「現代ビジネス」エディター 佐藤 慶一 |
帯4 「東京新聞」記者 中山 洋子 |
帯 編集者 佐々木 典士 |
帯2 作家 佐々木 俊尚 |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
---|---|---|---|
まえがき 欲しいものがない世界の時代精神を探して | p.7 | 2分 | |
1 「生き方」が最後の商品となった | p.11 | 27分 | |
2 ふたつの超大国の物欲の行方 | p.55 | 20分 | |
3 モノとの新しい関係 | p.87 | 16分 | |
4 共有を前提とした社会の到来 | p.113 | 20分 | |
5 幸福はお金で買えるか? | p.145 | 40分 | |
6 資本主義の先にある幸福へ | p.209 | 25分 | |
あとがき 経済の問題が終わった後に | p.249 | 4分 |
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