一品を磨けば、業績も上がり、社員のモチベーションもアップする。会社の強みである「一品」を磨くことを通じて、企業を変革させるメソッドを紹介している一冊。
■一品で会社を変える
会社を変えるには、表面ではなく根っこにあるものを変革の対象とする必要がある。やり方だけに焦点をあてても会社は変わらない。
「なりたい姿」「一品」「役割越え」は、変革の三原則である。意義のある「なりたい姿」が、役割を超えた有機的な活動の推進力を引き出す。変わるための具体策を「一品」に定める事は、変化を起こす媒介となる。組織図に縛られない「役割越え」が、今日の仕事によって未来をつくり出すスペースを生み出す。
変革の中心に「一品」を据えた変革の実践は、本業、人、組織という経営の根幹をなす要素を変化へと結び付ける。自分達の戦略的な意図を具体的に表そうとしたものが「一品」であり、協働して生み出すものであるからである。そして、仲間と生み出せた「一品」へのお客様からの評価が仕事のやりがいを高めていく。
今までを否定し、新領域に打って出るのが変革ではない。過去と未来をつなぐのりしろを今に見つけ変化の足場とするのが、その会社らしさの深化につながる。目の前にある問題解決を急ぐのでは不十分である。足元にある強みの拾い出しと熟成が変化だからである。
変わるとは、今日より明日を、1年後より3年後について語り合い、理想に近づけていこうとする可能意識下にある取り組みである。強みの能動的な熟成による変容である。「あるもの」から「ないもの」を生み出そうとする日々の実践である。
「あるもの」から「ないもの」を生み出す企業変革の軸になるのは「一品」である。足元にある強みを熟成させ、違いをつくる。つくった価値が誇りに変わる。誇りの連鎖が価値創造の原動力になる。この好循環の真ん中に、自分達そのものだと胸をはって言い切れる「一品」の深化から進化につながる段階的な実践がある。
著者 岡村 衡一郎
1971年生まれ。スコラ・コンサルト プロセスデザイナー 船井総合研究所を経て、2004年スコラ・コンサルト入社。120社を超える企業変革を支える。 「会社が変わるとは何か」、「人がイキイキ働くには何が必要なのか」を考え続け、「一品」という変革コンセプトを発見、体系化する。支援先の起源や今あるリソースを足場に、「あるもの」から「ないもの」を生み出す一品イノベーションに多くの経営者ファンを持つ。 変わるためのテコをあぶりだす「経営者オフサイト」、「『一品』で会社が変わるワークショップ」を主催。
帯 スコラ・コンサルト プロセスデザイナー 柴田 昌治 |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
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はじめに | p.3 | 2分 | |
第1章 貴社にとって「一品」とは何か | p.15 | 8分 | |
第2章 なぜ会社は変わらないのか | p.27 | 8分 | |
第3章 会社を変えるには何が必要なのか | p.39 | 8分 | |
第4章 「一品」を生み出す力が誇りに変わる | p.51 | 8分 | |
第5章 「一品」で会社を変える五つのステップ | p.63 | 26分 | |
第6章 「一品」で会社を変える六つの道具 | p.103 | 37分 | |
第7章 「一品」を核にに変わり続ける会社 | p.161 | 21分 | |
第8章 「一品」一思想でオンリー・ナンバーワンを目指そう | p.193 | 6分 | |
おわりに | p.203 | 1分 |