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2015/12/25更新

「やさしさ」という技術――賢い利己主義者になるための7講

166分

2P

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やさしさには思慮深さと判断力が必要である

やさしさにおいて重要なのは、良い事を考える事ではなく、良い行いをする事である。大切なのは気持ちではなく、行動である。世界の美しい感情をすべて集めても、ただ1つのやさしい行為にはかなわない。だから「大切なのは気持ち」という台詞は今すぐゴミ箱に捨てること。

但し、やさしさに思考が不要な訳ではない。やさしさには、私達が持てる限りの思考力と倫理の知力が求められる。的確な判断力を持たずにやさしい行いをする事は、極めて困難だ。

人にやさしく接するのは、知性の1つの形である。私達にはみな、十分に発達した倫理の知性が備わっており、この知性を生涯にわたって発達させるのに妨げになるものはない。「やさしさ」は、正しい判断と結びつくものなのだ。

倫理は、私達が「偽りのやさしさ」を隠れ蓑にした弱さや愚かさから来る行動をとろうとする時に、私達を正しい方向に導いてくれる。ここで大切なのは、自分自身の行動の意味をきちんと理解する事である。

倫理のジレンマを解く5つのツール

ジレンマに直面した時にどう判断し、行動するかという問題を扱う分野を「倫理」という。やさしさと倫理は多くの点で重なり合っている。倫理とは、私達が人類という仲間であり続けるための技術である。倫理とは良い行いをするための基盤であり、人道的な社会を築くための基盤であり、ヒトという種として生き延びるための基盤である。

倫理は日常の中にある。日々の生活は倫理のジレンマに満ちている。良い事をする条件の1つは、ジレンマを知る力がある事だ。もう1つは、自由に使える倫理のツールを持っている事である。

①ルール
どう行動すべきかを示す倫理的な「原則」や「規範」「規則」「法律」である。これらは道標にはなっても正解を与えてくれる訳ではない。

②判断力
物事を合理的に分析し、いかに最善の方法がとれるか、過ちを避けるにはどうすればいいかを判断する力である。ジレンマを論理的に分析する能力は、生涯にわたって磨き続ける事ができる。

③良心
良心は、人間の内なる羅針盤として機能し、何が善で何が悪かを示す。良心は、私達の振る舞いの方向性を示す、感情的な指標となる。この力によって、私達は適切な決断を下し、悪い結果を招くような行いを避ける事ができる。

④共感力
他人の立場に立って感じとる能力である。私達はこの力を使って、良い行いをするか、しないかを決める。

⑤他者
助言を求める相手、いわば共鳴板としての「他者」である。他人に助言を求める事は、強力なツールである。

この5つのツールを使いこなせると、倫理のジレンマにうまく対処できる可能性が高まる。