『宇宙兄弟』『ドラゴン桜』などのヒット作を手がけた編集者が、面白いものを生み出すために必要な考え方を紹介している一冊。
■仮説を先に立てる
いつも念頭に置いているのは「仮説を先に立てる」ということ。ほとんどの場合、「情報を先に見て」、それから仮説を立ててしまう。前例主義というのは「情報→仮説」という順番で物事を考える事で起きる。過去の情報を集めてきては「仮説・検証」を繰り返す。しかし、こうした行為が前例主義になり、身動きが取れなくなってしまう。
多くの人は重要な決断に迫られた時に、できるだけたくさんの情報を集めて、それから仮説を導く。でも、そうしていると新しい事は何も生まれない。
仮説を立てる時は、誰でも得られるような数字のデータではなく、「日常生活の中で、なんとなく集まってくる情報」そして「自分の中にある価値観」の方が大切である。
先に仮説を立てること。そして、仮説を補強・修正するために情報を集めてくる。その順番が大切である。「仮説→情報→仮説の再構築→実行→検証」という順番で思考する事で、現状に風穴を開ける事ができる。
仕事をする時に抱いているイメージが「ドミノを倒す」ということ。最終的にどのドミノを倒したいのかを見極め、それを倒すためにはどのドミノを倒すべきなのか。その「キーとなる最初の1枚」を徹底的に攻める。
その1枚目のドミノは、「たった一人の熱狂」である。熱狂している人が、仮説を立てる。それが、2枚目のドミノ。3枚目のドミノは、もう一人では倒す事はできない。熱狂している人の周りに集まってきている人達が倒す。
それで、やっと、ぼくらの仮説が世界をつくる事ができる。
著者 佐渡島 庸平
1979年生まれ。コルク代表取締役社長 編集者。中学時代を南アフリカ共和国で過ごし、灘高校に進学。2002年に東京大学文学部を卒業後、講談社に入社。「モーニング」編集部で井上雄彦『バガボンド』、安野モヨコ『さくらん』のサブ担当を務める。 2003年に立ち上げた三田紀房『ドラゴン桜』は600万部のセールスを記録。小山宙哉『宇宙兄弟』も累計1600万部超のメガヒットに育て上げ、TVアニメ、映画実写化を実現する。伊坂幸太郎『モダンタイムス』、平野啓一郎『空白を満たしなさい』など小説も担当。 2012年、講談社を退社し作家エージェント会社、コルクを創業。 従来のビジネスモデルが崩壊している中で、コミュニティに可能性を感じ、コルクラボというオンラインサロンを主宰。
マインドマップ的読書感想文 smooth |
帯 コピーライター 糸井 重里 |
ビジネスブックマラソン 土井 英司 |
ダイヤモンド 2016年 1/30 号 [雑誌] (三菱最強伝説) 三省堂書店岐阜店店長 渡邉 大介 |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
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はじめに―大航海時代が始まった | p.8 | 3分 | |
第1章 ぼくらの仮説が世界をつくる―革命を起こすための思考アプローチ | p.21 | 21分 | |
第2章 「宇宙人視点」で考える―本質を見極め常識を打ち破るための思考法 | p.59 | 22分 | |
第3章 インターネット時代の編集力―モノが売れない時代にぼくが考えてきたこと | p.99 | 18分 | |
第4章 「ドミノの1枚目」を倒す―遠くのゴールに辿り着くための基本の大切さ | p.131 | 15分 | |
第5章 不安も嫉妬心もまずは疑う―「先の見えない時代」の感情コントロール | p.159 | 12分 | |
第6章 仕事を遊ぶトムソーヤになる―人生を最高に楽しむための考え方 | p.181 | 20分 | |
おわりに―仮説を実現する冒険に出よう | p.217 | 4分 |
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