電通、オグルヴィ&メイザー、FIFA、マッキンゼー、ディズニーなどの企業で、マーケティングの経験を積んだ著者が、マーケティングの基本と実務をまとめた一冊。
マーケティングの基本中の基本から、抑えておくべきポイント、最新の知見まで網羅した入門書。
■マーケティングとは
「お客さんにお金を払ってもらい、ものを買ってもらう」。その上で「その値段を払って満足だった」という思いをお客さんに提供するだけでなく、自社に収益を絶対にもたらさなければいけない。それがマーケティングの至上命題である。
マーケティングとは「買ってもらえる仕組みをつくること」と定義される。売れる仕組みにかかわる事であれば、すべてがマーケティングといえる。
■マーケティング・プランを成功させる4つのコツ
マーケティング・プランはマーケティング活動の基本である。成功するには次の4つのコツが大切である。
①良いデータに裏付けされている
マーケティング実務の成功は、調査、情報収集、分析にかかっているといっても過言ではない。データがどのようなもので、どのように解釈できうるのか、きちんと調べ、データの正確な扱いを知って、正しい分析を行う。その結果に基づいて戦略を立てる。
②全社戦略とそれに紐づくブランド戦略に紐づいている
マーケティング・プランは、短期的に売上を上げるためだけにつくられるものではない。究極の目的は、売上を上げると共に、ブランドを構築し、会社の価値を高めていく事である。
③整合性が細部までとれている
良いプランは、データの丁寧な提示、戦略の細かな書き込みやポジショニングの詳細な説明など、細部もしっかりとわかりやすく書かれていて、整合性がとれている。どの方向になら思い切りクリエイティビティを発揮していいかがわかるプランが良いプランである。
④無理なく実施できるわかりやすい内容になっている
どんなに素晴らしいが描けても、それが協業する各部門に受け入れられない、難しくてなかなか理解されないという事になれば、実施できても、その価値は半分以下に減る。大事なのは、最新の理論やツールを使う事により、無理なく実施できる内容で、他の部門の理解が得られるプランを、各部門が行うべき事を理解してもらった上で実施する事である。
著者 武井 涼子
グロービス経営大学院准教授 大学卒業後、電通に入社、主に自動車会社のコミュニケーション戦略の立案を行う。その後、オグルヴィ&メイザー等の広告代理店においてブランド戦略、インタラクティブ戦略等を経験。また、FIFAマーケティングと大手ベンチャー企業で、スポーツ&マーケティングと経営企画に携わったのち、コロンビア大学でMBAを取得。 帰国後は、マッキンゼーを経てウォルト・ディズニー・ジャパンに転職。マーケティングと事業開発を行う。2014年グロービスに入社。現在、グロービス経営大学院大学、英語MBAプログラム、インターナショナル・マーケティング・チームのマネージャーとして働きつつ、准教授としてマーケティング関連の授業の教壇に立つ。
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
---|---|---|---|
1時間目 マーケティング・プランを立てる | p.15 | 50分 | |
2時間目 マーケティング・リサーチの基本と実務 | p.93 | 32分 | |
3時間目 ブランド・マネジメントの基本と実務 | p.143 | 51分 | |
4時間目 新しい時代のCRMとデジタル・マーケティング | p.223 | 30分 | |
おわりに | p.269 | 6分 |
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