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2015/11/09更新

スタンフォードのストレスを力に変える教科書

292分

7P

  • 古典的
  • トレンドの
  • 売れ筋の
  • すぐ使える
  • 学術系
  • 感動する
  • ひらめきを助ける
  • 事例が豊富な

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ストレスをポジティブに捉える

ストレスについての考え方は、健康や幸福、成功に及ぼす重要な考え方の1つである。ストレスを感じた時にどんな気分になるかも、ストレスの多い状況に対してどう対処するかも、自分のストレスについての考え方(マインドセット)次第で決まる。それが究極的には、ストレスに負けずに頑張れるか、心身ともに参ってうつ状態になってしまうかの分かれ目になる。

ほとんどの人は「ストレスは害になる」と考えている。しかし、ストレスをネガティブに捉えるか、ポジティブに捉えるかによって大きな違いが表れる。研究によれば、「ストレスには良い効果がある」と思っている人達は「ストレスは害になる」と思っている人達に比べて、うつ状態になりにくく、人生に対する満足度が高い事がわかった。

ストレスには役に立つ点もあると考えている人の多くは、困難な問題を避けたり否定したりせずに、正面から向き合う。そして、ストレスの多い経験に対処する能力をつちかう。人生の試練を乗り越える自信をつけ、困った時には相談し、助け合う仲間をつくる。そして、どうにでもできない状況は、成長するための機会として受け止められるようになる。

ストレス反応を味方にする

ストレス反応は様々な点で、困難な状況にぶつかった時に最大の味方になる。ストレス反応にはいくつかの典型的な種類があり、各反応によって体に起こる生物学的な変化が異なるため、ストレスへの対処法も異なる。

①闘争・逃走反応
警戒態勢を取って瞬時に行動できるよう、交感神経系の働きによって体全体のエネルギーを結集させる。そして、行動を促し脳を活性化させる。

②チャレンジ反応
ストレスはあってもそれほど危険でない場合に「チャレンジ反応」という状態に切り替わる。力が湧いてきて、集中力が高まる。

③思いやり・絆反応
ストレスを感じると、多くの場合、人とのつながりを求める気持ちが強くなる。周りの人の考えている事や感情に気づき、理解する力が強まる。

強度のストレス反応が起こった後には、脳はストレスの経験を記憶し、そこから学ぼうとする。ストレスを経験しても、そこから学ぶべき事があると思っていると、体のストレス反応が切り替わり「ストレス免疫」の効果が高まる。

ストレス反応は、基本的なサバイバル本能だけではない。ストレス反応は、私達が人間らしくふるまい、人とつながり、周囲や世の中と関わっていくための助けになる。ストレス反応の価値を正しく理解して、うまく利用し、頼りにすべきである。