ストレスを避けるのではなく、受け入れてうまく付き合っていくことで、ストレスへの抵抗力がつく。ストレスを避けることの問題点を指摘し、いかにストレスをうまく利用するかについて、科学的な実験結果をふまえ紹介する一冊。
■思い込みを変えれば変化が起こる
マインドセットというのは「自分の現実を形づくる考え方」の事で、目に見えるような体の反応にも影響を及ぼす。それだけでなく、マインドセットは長期的な健康や幸福感、成功にも影響する。さらに、考え方を変えるための簡単な介入実験にたった一度参加するだけで、その後何年にもわたって、参加者の健康状態や幸福感が向上し、成功する可能性が高くなる事が明らかになっている。
マインドセットになるような思い込みは、人生観を反映した中心的な信念である。例えば「お金があれば幸せになれる」「人間は変われない」などである。このような考え方は、自分の経験をどのように受け止め、どのような決断を下すかに大きく影響する可能性がある。
マインドセットの小さな転換は、次々に変化を引き起こし、やがて大きな変化となる。まず自分の考え方を変えれば、望んでいるような変化が次々に起こり始める。
■ストレスを受け入れよ
ほとんどの人は「ストレスは害になる」と考えている。そして、ストレスを避けようとする。しかし、ストレスを避けようとすると、生活の中でストレスを感じる事が、何もかも問題だと思うようになる。そして、ストレスをたくさん感じるのは自分がダメだからに違いないと思うようになる。このような考え方をしていると、精神的に打ちのめされ、希望を失ってしまう。
ストレスを受け入れるのは勇気のある行為であり、つらい事から逃げずに、苦しみの中にも意義を見出そうとする努力が必要である。それこそが、ストレスに強くなるという事である。ストレスに強くなるというのは、ストレスを感じた時に「勇気」や「人とのつながり」や「成長」という人間ならではの底力を、自分の中に呼び覚ます事である。
ストレスに強い人達は、ストレスを経験した時に思い切って自分を変化させる。自分に対する基本的な信頼感を失う事なく、自分よりも大きな存在とのつながりを心の中に持っている。そして、苦しみの中にも意義を見つけ出す。「ストレスに強くなる」というのは、ストレスを避ける事ではなく、ストレスを経験する中で自分自身を積極的に変えていく事である。
■ストレスを力に変える方法
①ストレスのサインを感じたら、体がエネルギーを与えようとしていると考える
②1日に1つ、誰かの役に立てる機会を見つける
③「自分のための目標」を「自分よりも大きな目標」に変える
④他人の苦しみを想像し、思いやりとつながりを感じる
⑤逆境からの気づきを書き出す
⑥逆境の中でも良い面を見つける
⑦過去の大きなストレスであった経験について考え、回復の物語を書く
著者 ケリー・マクゴニガル
スタンフォード大学 心理学者 専門は健康心理学。心理学、神経科学、医学の最新の研究を応用し、個人の健康や幸せ、成功および人間関係の向上に役立つ実践的な戦略を提供する講義は絶大な人気を博し、スタンフォード大学で最も優秀な教職員に贈られるウォルター・J・ゴア賞をはじめ数々の賞を受賞。 各種メディアで広く取り上げられ、『フォーブス』の「人びとを最もインスパイアする女性20人」に選ばれる。
ビジネスブックマラソン 土井 英司 |
マインドマップ的読書感想文 smooth |
日経トップリーダー |
TOPPOINT |
日経ビジネスアソシエ2016年1月号 |
PRESIDENT WOMAN(プレジデント ウーマン)2017年2月号(VOL.22)「超シンプル時間術」 メンタリスト DaiGo |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
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Introduction 「ストレスを力に変える教科書」へようこそ | p.13 | 14分 | |
第1章 すべては思い込み | p.36 | 35分 | |
第2章 ストレス反応を最大の味方にする | p.87 | 29分 | |
第3章 ストレスの欠如は人を不幸にする | p.130 | 29分 | |
第4章 向き合う | p.177 | 26分 | |
第5章 つながる | p.215 | 40分 | |
第6章 成長する | p.273 | 40分 | |
第7章 おわりに | p.331 | 6分 |