2万人以上の管理職に研修を実施してきた著者が、リーダーの仕事で大切なことをまとめている一冊。リーダーはどのようにして、メンバーを率いて、成果をあげればよいのかについて紹介されています。
■信頼のベースをつくる
人と人との間に生まれる信頼関係がチームの力を生み出す。「信頼」は言葉ではなく、行動の積み重ねの中からしか生まれない。
①チームのキーマンとカルチャーを見極める
キーマンは、メンバーから最も信頼されていて、チームにも大きな影響を与えている人である。キーマンとの信頼関係をつくれるかどうかが今後のチームづくりに大きく影響する。
②まず自分の事を知ってもらう
どこまでメンバーの事を知っているかで、仕事の頼み方やコミュニケーションのとり方が変わってくる。どういう性格か、今の課題は何か、何を大切にして仕事をしているか、1対1の面談でメンバーの事を把握する。ところが、メンバーは正直に答えてくれるとは限らない。そこで、まずは自分からオープンになり、自分の事を知ってもらう。
③1対1で面談する
面談では、メンバーを全身で受け止めようとする姿勢を見せる。ゴールは、メンバーと自分の距離を縮めること。
■仕事を任せる
リーダーの仕事は次の3つ。
①意思決定する
②全体を俯瞰して考える
③メンバーを育成する
往々にしてリーダーは、チームの中で一番仕事ができたりする。だから「自分がやった方が早い」と仕事を抱え込んでしまう。それではリーダーがやるべき本来の3つの仕事はできない。
リーダーは自分が動くのではなく、プレイヤー時代の仕事はメンバーに任せて、リーダー自身の時間を生み出し、本来の3つの仕事に集中するようにする。
メンバーの役割は、最後まで責任を持ってやり遂げること。リーダーの役割は、メンバーが遂行責任を果たせるように支援する事である。リーダーは最後まで我慢して、メンバーがやり切るまで待つ覚悟が大切である。
■メンバーの感情に寄り添う
どんな状況になろうとも「最後はリーダーが何とかしてくれる」と安心できていれば、メンバーは新しい事にも挑戦できる。特にチームの中で一番立場の弱い人は、リーダーからいつ見捨てられるかという不安を心の中で抱いている。リーダーは、今期の業績が芳しくなかったメンバーなど、チームで一番立場の弱い人を気にかけるようにすること。
■メンバーの能力をひき出す
メンバーを育てたいなら、まずは経験を積ませること。それも、少し背伸びをしないと成功できないような経験である。やってみせたり、言って聞かせたり、褒めてやる事も大切だが、メンバーに挑戦の機会を与えなければ、いつまでも仕事の本質は理解できない。
メンバーに挑戦のリスクを背負ってもらう分、リーダーは任せるリスクを背負う。メンバーとリーダーが共にそれぞれのリスクを負うからこそ、チームの一体感が醸成され、互いの信頼も増し、メンバーは確実に成長する。
著者 守屋 智敬
1970年生まれ。1995年、設計事務所に入所。地域再開発計画のコンサルティング業務や地域振興プロジェクトに従事。 1999年、人材系コンサルティング会社・HRインスティテュートの立ち上げ期に参画。以来16年にわたり、経営戦略策定、組織開発プログラムを通したリーダー育成にチーフコンサルサントとして活躍。現場で起こっている課題を解決する組織開発コンサルティングも数多く手がけてきた。 2015年、株式会社モリヤコンサルティング設立。
帯 国際ビジネスブレイン代表取締役 新 将命 |
帯2 小宮コンサルタンツ代表取締役 小宮 一慶 |
帯3 作家 ジョン・キム |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
---|---|---|---|
はじめに | p.3 | 2分 | |
第1章 信頼のベースをつくる | p.18 | 14分 | |
第2章 チームをうまくまとめて動かす | p.48 | 15分 | |
第3章 仕事を任せる | p.80 | 12分 | |
第4章 メンバーの感情に寄り添う | p.104 | 15分 | |
第5章 メンバーの能力を引き出す | p.136 | 8分 | |
第6章 チームの温度を上げる | p.152 | 7分 | |
第7章 上司を巻き込んで社内政治を攻略する | p.166 | 9分 | |
おわりに | p.185 | 2分 |
[新装版]人を活かす経営 [Amazonへ] |
「怒り」のマネジメント術 できる人ほどイライラしない (朝日新書) [Amazonへ] |