総資産50億円以上の富豪たちに仕えてきた執事が、大富豪のお金の習慣や考え方を紹介している一冊。お金持ちはお金についてどのように考えるのか。
■火をつけて燃えるものには投資しない
実際に火をつけて燃やしてみるのではなく、頭の中でその投資商品が「燃える」かどうか想像してみる。紙幣は大火の中で燃え尽きてしまう。また国家が財産破綻すれば紙幣は紙くず同然になる。大富豪は、通貨の価値が無になってしまう状況を常に想定している。どんなにうまい話でも「燃えるか燃えないか」、つまり実体があるかないかを瞬時に見分ける目を養っている。だから、株や債券、保険といった投資商品も、頭の中で「燃える」かどうかをイメージする。
大富豪が選ぶのは「普遍的な価値がある」と認められたものだけである。その代表格が土地である。他には金やプラチナも普遍的な価値があると認める。
大富豪になる方たちは、人間関係を大切にするという点でほぼ共通している。敵を作るような言動は慎み、相手が誰であろうと分け隔てなく交際し、地位のある人たちからは可愛がられて、部下や若い人たちからは慕われるといったタイプである。そう考えると、広くて深い人脈こそ、大富豪たちにお金を運んできているようにも見える。
大富豪の多くは、財産を築けた理由を「運」と答える。そして、必ず異口同音にこう付け足す。「運やチャンスは誰にでも巡ってくる。多くの人はその巡ってきた運を見逃してしまうか、その運を摑み取る準備が日頃からできていない。どんな選択にもリスクはつきものだから、覚悟や決心も必要である。大富豪になる秘訣があるとすれば、運を見逃さない眼力、日頃の準備、覚悟かもしれない。
著者 新井 直之
日本バトラー&コンシェルジュ株式会社 代表取締役社長 大学卒業後、米国企業日本法人勤務を経て日本バトラー&コンシェルジュ株式会社を設立。自ら執事として大富豪のお客さまを担当する傍ら、企業向けに富裕層ビジネス、顧客満足度向上に関するコンサルティング、講演、研修を行っている。
マインドマップ的読書感想文 smooth |
ビジネスブックマラソン 土井 英司 |
PRESIDENT (プレジデント) 2015年 11/16 号 |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
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序 章 世界の大富豪が富を築くまで | p.9 | 11分 | |
第1章 世界の大富豪の富を築く資産の増やし方 | p.31 | 24分 | |
第2章 世界の大富豪の富を築くお金の使い方 | p.77 | 30分 | |
第3章 世界の大富豪の富を築く人との付き合い方 | p.135 | 26分 | |
第4章 世界の大富豪の富を築くお金の哲学 | p.185 | 30分 | |
おわりに | p.244 | 2分 |