リーダーになるためには、考えるよりも行動することが大切である。ハーバード・ビジネス・スクールで13年間教鞭をとり、INSEADで教授と務める著者が、優れたリーダーになるために必要な行動指針を解説しています。
■アウトサイトの法則
リーダーともなると、これまでにない大きな課題に直面する事になる。自分の仕事と自分自身を知るための唯一の方法は「行動する」こと。ただ「考える」だけではだめである。
自分自身についての認知は「変化の過程」でのみ高まる。私たちは新しい事に挑戦し、その結果として、自分がどのように感じるか、周りの人達がどう反応するかを観察する。これまでに得た気づきを振り返り、自分のものにする事ができる。
変化のためには、普段はまず行わないような事を経験しなければならない。考えるよりも先に行動するという手法を取らない場合、セルフイメージや習慣的な思考パターンおよび行動パターンは過去にとらわれ、決して変わる事がない。自分がどういう人間なのかを定めているのは、自分自身である。
つまり、新しいプロジェクトや活動に身を投じ、自分とは全く違うタイプの人達と交流し、何かを行う際にこれまでにやった事がない方法を試す。新鮮でやりがいのある経験をし、成果を上げる事で、自分の限界を作り出している行動と思考を変える事ができる。
リーダーになるための唯一の方法はリーダーとして行動する事である。行動、つまり仕事のやり方やネットワークの作り方と使い方を変える事で、アウトサイトが得られる。アウトサイトとは、既存のものとは異なる外部の視点の事で、リーダーシップの仕事をより深く理解し自分自身がリーダーとなる意欲を奮い立たせるために必要なものである。アウトサイトには、自分のあり方や自分ができること、やる価値があることは何なのかについてのイメージを作り変える力がある。
優れたリーダーになるには、内省し、自分が求めるものを知り、自己認識を高める事が必要だと言われる。これはあとになってから役に立つ。つまり新しい経験をしなければ、振り返る事はできない。そうでなければ、振り返るために必要な材料は、すべて過去の時代遅れのものになってしまう。
うまくステップアップするには、旧来の「行動する前に考える」論理を逆にしなければならない。
著者 ハーミニア・イバーラ
INSEAD教授 ハーバード・ビジネス・スクールで13年間教鞭をとったあと、INSEAD教授に就任。組織行動論およびコラ記念講座「リーダーシップと学習」を担当。イェール大学で博士号を取得。同校では全米科学財団の特別研究員に選ばれた。 キャリア開発、リーダーシップ開発をテーマにした寄稿論文は多数あり、ハーバード・ビジネス・レビューや主要な学会誌にも掲載されている。 2013年のThinkers50では、世界でもっとも影響力のある経営思想家トップ50の第9位に選出。
帯 シーメンスAG CEO ジョー・ケーザー |
帯2 GE 人材部門シニアバイスプレジデント スーザン・P・ピーターズ |
帯3 e-Bay 人材部門シニアバイスプレジデント ベス・アクセルロッド |
ビジネスブックマラソン 土井 英司 |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
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第1章 リーダーとして行動し、考える方法――「外から変わる」 | p.1 | 21分 | |
第2章 仕事を再定義する | p.27 | 41分 | |
第3章 チームを超えたネットワーク、社外のネットワーク | p.77 | 42分 | |
第4章 自分自身を楽しむ | p.129 | 42分 | |
第5章 ステップアップのプロセス | p.181 | 18分 | |
結 論 行動しましょう | p.203 | 6分 |
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