睡眠時間こそ翌日の始まりである
短い時間で集中して良い仕事をするために、常に頭と体のコンディションをベストな状態に保つ。そのために重要となるのが「睡眠の質」である。長時間ダラダラ眠るのではなく、密度の濃い充実した眠りにする。
1日の終わりの付け足しの時間として、日中の時間の「帳尻合わせ」に使われるのがこれまでの睡眠時間だった。しかし、これからは睡眠時間こそ1日の始まりであるという発想に変えること。夜ふとんに入った時、既に翌日は始まっている。
良質な睡眠にするためには、眠る前のリラックス時間が大切である。家に帰ってゆっくりくつろいでからでないと、熟睡できない。酔って寝るのも熟睡を妨げる。
自分の適正な睡眠時間を知ること
睡眠時間には遺伝子レベルの個人差がある。睡眠時間は年齢や季節によって異なるが、調査では睡眠に対する充足感が最も高かったのは7時間前後。自分にとって適性な睡眠時間は、朝スッキリ目覚めて、疲れも残っておらず、日中も眠くないと感じた日の長さが1つの目安になる。適性時間よりもマイナス2時間以上の睡眠不足が続くと、脳はほろ酔い状態に似た状態になる。適性時間より眠り過ぎても、頭は働かなくなる。長く眠る事があってもプラス2時間ぐらいが上限である。
規則正しいリズムが大切
通常、眠りはノンレム睡眠から始まり、大脳が徐々に深い休息モードに入っていき、就寝の約1時間後には最も深い休息状態になる。その後、眠りは一時浅くなってレム睡眠が訪れる。ノンレム睡眠とレム睡眠の周期は70〜120分で、この周期を一晩に3〜6回繰り返す。睡眠時間が短く、深いノンレム睡眠の時に起こされると、目覚めが悪く、強い眠気が残る。自分の周期を知るために、まずは自分の睡眠パターンを把握する事である。自然に覚醒するには「明日は◯時に起きよう」と寝床に入る時に起床時刻を明確に意識しておく事である。
一番大切なのは「毎日、寝る時間と起きる時間をほぼ同じにする事」である。つまり、規則正しく日々を過ごす事が健康管理の秘訣である。就寝と起床の時刻が不規則だと、体温と睡眠のリズムにズレが生じる。死守したいのは、起床時刻を大きくズラさないこと。リズムができれば、何時に寝るか、何時に起きるかはこだわる必要はない。
ベストな状態で床につくための方法
①眠りに入る数時間前に軽い運動をして体温を上げておく
②夕食は就寝2〜3時間前には終わらせる
③夕食以降にカフェインを摂取しない
④就寝前に入浴などリラックスタイムをもうける
⑤寝る前に軽いストレッチを行う
⑥眠くなるまでふとんに入らない
⑦寝室の温度を夏26〜28℃、冬16〜19℃に保つ
⑧カーテンは朝日が入るように少しあけておく