利益が出ない原因を見抜く
本質的な事は、シンプルで、美しい。これは設計開発でも、デザインでも、経営でも、組織のあり方でも、すべてにおいて共通する。経営の改革でも大切な事は、シンプルで美しい本質は何か、という事を素早く見抜く事である。
問題解決のアプローチで大事な事は、自分で理解し、扱えるサイズにまで、問題の本質を切り分けて考えるようにする事である。業績のよくないダメな会社や組織には、3つの共通する特徴がある。
①トップ(リーダー層)がたるんでいる
②受動的・指示待ちの人が多い
③売上の20〜30%のムダがある
会社や部門の立て直しで何より大事になるのは「このままでは会社がダメになる」という危機感の共有であり、それをバネに全社一丸となって再建に取り組む姿勢、情熱である。これがなければ、いくら戦略や組織をいじったところで成果はしれている。
上が現場主義に徹し、下をちゃんと見る、目を光らせる、というのが組織に緊張感をもたらし、だらけさせない最良の方法である。そして、利益の出ない会社がまずやるべきは、全社をあげてムダをなくし、利益を掘り起こす事だ。緊張感は、ムダをなくし利益を出す。ムダをなくすには社員が自分自身で考えて行動するようになる事が必要である。そうなれば、自ずと緊張感を持って働くようになるからである。
人間の本質を見抜く
あらゆる仕事は「人と人の関係」で成り立っている。だから、人間について深く知る事が、良い仕事をする事、良いリーダーになるための必須条件である。仕事ができるかどうかについて、一番大事な事は「相手の立場に立って物事を考えられるかどうか」である。良い商品・サービスは「誰かの困った」を解決する。相手の立場で考えられる、というのは仕事をする上で何より大事な資質である。
相手の立場で考えられるようにするには、「人に親切にすること」である。人に親切にしようと思えば、相手が何に困っているのか、何をして欲しいのか、自然と相手の立場で考えるようになるからだ。
相手の立場や心情を察して行動するには「目配り、気配り、口配り」の三配りが大事になる。こういう人は、人を尊重する気持ちがあるから、基本的に謙虚であり、目線は常に下から上に向かう、「下から目線」が習い性になっている。そして、素直に謙虚に、わかる人に向かって「すみません。教えてください」と頭を下げる事ができる。人を見る上で、これができるかどうかは、とても大事なポイントである。
どれほど優秀な人間であってもすべての業務に100点満点で精通しているなどという事はあり得ない。だからこそ、どんなに出世しようとも、常に「下から目線」で謙虚に人にものを尋ねられる姿勢が大事になってくる。