企業が持続的に成功するための5つの条件
①チーム全体の信頼を高める
組織にとって、信頼には主に2つの側面がある。1つは顧客との間に築く「対外的な」信頼。もう1つは従業員とマネジャーと経営幹部の間に築かれる「対内的な」信頼である。組織のシステムと文化が浮き彫りになるこのタイプの信頼は、経営サイドの威信と、敬意をもって扱われているという従業員の実感によって生まれる。信頼は経済的価値の観点からすれば曖昧だが、現実的には高潔さや尊敬、誇りといった感情によって生まれる信頼感が、利益を生み、生産性を飛躍的に向上させている。
イノベーションの鍵は組織の文化にある。信頼は知識の共有や学習成果に影響を及ぼす。従業員がみな互いに信頼するようになると、参加と学習と実験が促進される。結果として、信頼できる環境では創造性が豊かになり、イノベーションも起きやすい。
②変化に対応し続けるための「知性」を育てる
ビジネスの世界において「知性が豊か」である事は、成績評価で満点をとったり、高いIQを持つような優秀な人材を探す事とは関係ない。懸命に励む事の大切さ、粘り強さやレジリエンスの重要性と関係がある。それは何があってもやり抜く気概である。気概は、呑み込みのスピードアップに直結し、多くを学び速く順応できるようにする。
③失敗を恐れないチームをつくる
高い業績をあげるチームをつくるには、次の5つのポイントがある。
・少人数のチームにする
・人種や性別、年齢、経験、思考スタイルにおいても多様性を促進する
・メンバーには、チーム中心の姿勢、情熱、気概を持っている人を選ぶ
・高い期待を寄せている事をはっきり表明する
・思い通りに仕事ができる範囲を与える
④他社には真似できない「テイスト」を生み出す
テイストはデザインを超えるもの、感情に訴えかけるものである。テイストは三大要素(機能、形、意味)から始まり、それらを統合する。テイストは天才がたまたまひらめいて生まれるものではない。不断の努力と、規律の正しさと、粘り強さがあって初めて生まれるものである。
⑤心に響くストーリーの語り手になる
ビジネス界では、ストーリーは新しいブランドを世に出したり既存ブランドのイメージを高めたりするために使われる。新入社員を教育し、ベテラン社員に活を入れるためにも使われる。ストーリーが重要なのは、それが記憶に残るからである。私達の考え方や行動の仕方や感じ方を変える事もある。他人を納得させ、抵抗を克服する最も強力な手段は、考えを感情に結び付ける事である。それには、心に響くストーリーを使うのが何より効果的である。