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2015/09/29更新

良い値決め 悪い値決め ―きちんと儲けるためのプライシング戦略

173分

3P

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値決めの哲学

安値競争に陥っては儲からない。「良いものを高く売る」ことが大切であると説き、値決めの基本的な考え方を紹介する入門書。


■利益は売上ではなく値決めで決まる
値下げで売上が増えても、利益が減ってしまう事がある。どんな商売でも、自らの商品・サービスの「1個の儲け」を出す事から始まる。「1個の儲け」は、販売単価から仕入単価を引いた金額である。これをどれだけ積み重ねられたかで全体の儲けが決まる。

1個の儲け × 販売数量 = 全体の儲け
(販売単価 ー 仕入単価) × 販売数量 = 全体の儲け

良い売上アップでは「1個の儲け」が増えて厚くなり、悪い売上アップでは「1個の儲け」が減って薄くなる。この「1個の儲け」の積み重ねが全体の利益となり、全体の利益が固定費を超えれば、その分だけ利益が出る。

値下げは、この大切な「1個の儲け」を減らす危険な行為である。値下げによって「1個の儲け」が薄くなると、売上が増えても利益が減る。売上ではなく、値決めが利益の大きさを決めるのである。

超短要約

値下げで売上が増えても、利益が減ってしまう事がある。値下げを成功させ、利益を増やすための成功条件は2つ。

①変動費の比率が低いこと(固定費体質であること)
②値下げによって販売数量が大幅に増加すること

どんな商売でも「値下げ」する事自体は難しくない。値下げすれば、安さに釣られてやってくるお客さんによって目先の「売上」は増える。しかし、売上が増えても利益が増えるとは限らない。

値下げで薄くなった「1個の儲け」をどれだけ積み重ねる事ができるか。これが難しい。レッドドッグがひしめく環境では、世界中の「パクリ・安値」ライバル達が安値競争をしかけてくる。だからほとんどの値下げは失敗に終わる。

商売の目的は、売上を増やす事ではない。「1個の儲け」を積み重ね、「全体の儲け」を大きくする事である。

著者 田中 靖浩

1963年生まれ。田中公認会計士事務所 所長 東京都立産業技術大学院大学 客員教授 大学卒業後、外資系コンサルティング会社を経て現職。中小企業向け経営コンサルティング、経営・会計セミナー講師、執筆を行う一方、落語家・講談師とのコラボイベントも手がける。。

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土井 英司

章の構成 / 読書指針

章名 開始 目安 重要度
イントロダクション p.4 4分
第1章 売上重視が、会社を不幸にする犯人だった! p.17 14分
第2章 ドッグ(DOG)ビジネスは「無料」に向かう p.43 19分
第3章 値下げが成功する場合、失敗する場合 p.77 13分
第4章 そろそろ「値決めの哲学」を持とうじゃないか! p.101 18分
第5章 顧客満足「高」価格をつくる「まぜプラ」 p.133 18分
第6章 顧客に心地良いサプライズをつくる「ここプラ」 p.165 14分
第7章 トップセールスに学ぶ、比べさせて売る「くらプラ」 p.191 13分
第8章 顧客の困りごと、悩み、不満を和らげて2.5倍売る「やわプラ」 p.215 16分
エピローグ p.244 1分

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