日本コカコーラ、デル、アディダス、ソニーピクチャーズなど様々な企業で、事業の建て直しを行ってきた著者が、どのような業界に行っても結果を出すための考え方について紹介している一冊。
■業界の知識や常識は勉強しない
自分の知らない業界に飛び込んだ時、多くの人は、その業界の知識や常識について猛勉強してキャッチアップしようとするが、そこそこにした方が良い。理由は2つ。1つは、付け焼き刃の勉強で対抗しようとしても無理だからだ。彼らは何年も、何十年もその業界にいて、知識と経験を持っている。2つ目の理由は「そもそも、そうした知識を今から詰め込む事にあまり意味がない」という事だ。豊富な知識や経験を持ち合わせたベテランは、どの業界にも会社にもゴロゴロいる。そして、知識や経験があれば会社の業績が良くなるのなら、とっくにそうなっているはずだ。
これは役割分担の話である。事業再生や組織を変えて成長させる事を目指すならば、知識や経験で業界のベテランに張り合う事はない。「よそ者」「新参者」の役目は、今までその業界の人が誰もしなかった、自分だからこその発想や戦い方を、彼らを巻き込んで実行に移す事だ。
知識よりも経験よりも、姿勢が大事である。知識や経験は、所詮過去のものだ。業界の知識や豊富な経験があっても、それが未来を切り開く鍵になるかといえば、必ずしもそうではない。未知の世界で結果を出していくためには、姿勢が大事である。
姿勢とは、例えば前向きなマインドであり、新しい事を取り入れるために全力を尽くす覚悟の事を意味している。こうした姿勢さえあれば、どんな時代でも、どんな状況でも、結果を出す事ができる。
著者 伊藤 嘉明
1969年生まれ。ハイアール アジア 社長兼CEO 米国オレゴン州コンコーディア大学を卒業後、タイへ帰国し、オートテクニックタイランドへ入社。サーブ自動車の総輸入元として高級車の企画・販売・営業全般に携わった後、サンダーバード国際経営大学院ビジネススクールにてMBAを取得。 日本アーンスト・アンド・ヤング・コンサルティングを経て、2000年に日本コカ・コーラ入社。広報渉外本部、初代環境経営部長に就任。2004年デルに入社、公共営業本部長兼米国本社コーポレートディレクターとして複数の大型案件を勝ち取り、アジア環太平洋地域のベスト・リーダーに選出される。その後レノボ米国本社のエグゼクティブディレクター・グローバル戦略担当役員、アディダスジャパンの上席執行役員副社長兼営業統括本部長を経て、2009年にソニー・ピクチャーズ エンタテインメント(SPE)、ホームエンタテインメント部門の日本・北アジア代表をつとめる。 2014年ハイアール アジア株式会社(旧三洋電機白物家電事業部門が母体)社長兼CEO就任。
マインドマップ的読書感想文 smooth |
ビジネスブックマラソン 土井 英司 |
週刊ダイヤモンド (2015年 9/26 号 [雑誌]) 三省堂書店神保町本店 法経ビジネスマーチャンダイザー 岡崎 史子 |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
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はじめに | p.1 | 4分 | |
Chapter1 どんな業界でも記録的な成果を出す人は何をしているのか? | p.19 | 49分 | |
Chapter2 どんな業界に行っても通用する人になるキャリア戦略 | p.99 | 88分 | |
Chapter3 どんな業界、どんな時代でも戦って勝つための武器 | p.143 | 22分 | |
Chapter4 どんな業界でも通用するリーダーシップ&組織論 | p.179 | 20分 | |
Chapter5 グローバル時代を生き抜くために必要な姿勢 | p.211 | 13分 | |
おわりに | p.232 | 4分 |