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2015/09/08更新

ALLIANCE アライアンス―――人と企業が信頼で結ばれる新しい雇用

151分

4P

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コミットメント期間の3つのタイプ

コミットメント期間の具体的な内容は人や企業、部署、業界、職位に応じて大きく異なってくる。

①ローテーション型
社員ごとにパーソナライズされておらず、互換性が高い。体系化された有期の制度。新卒や経験の浅い社員の相性を見極める機会を与えたり、ブルーカラーの現在の職務と社員の相性を高める目的のものがある。

②変革型
期間を一定に定める事にはあまり重きを置かず、特定のミッションを完遂する事に重点が置かれる。内容は、上司であるマネジャーと社員本人が1対1で話し合って決める。変革型コミットメント期間の核心は、その社員が自分のキャリアと会社の両方を大きく変革させるような機会を得るという約束である。変革型コミットメント期間が最終段階に入った社員を、引き続き会社に留めおきたいという場合、早めに次のコミットメント期間について話し合いを始めるといい。標準的な期間は2〜5年。

③基盤型
会社と社員の方向性が深く整合している点が特徴。この会社が自分の最後の職場だと考え、会社もその社員に現役引退までいて欲しいと願うなら、その人は基盤型コミットメント期間にいる。基盤型には高レベルの信頼と方向性の一致が必要なため、社員が最初からこのコミットメント期間で会社に入る事は極めて稀である。

それぞれのコミットメント期間に優劣はなく、社員の集団ごとに使い分けながら3つのタイプをすべて利用する。社員の大半を基盤型にしようとしてはいけない。多くのスター社員は上を目指す野心があるからこそ、基盤型コミットメント期間を拒む。

社員と会社の目標、価値観を揃える

今は、企業の目標が社員にとって唯一絶対の目標になるなど、期待できない時代だ。目指すべきは、会社と個人の目標をあらゆる面で完璧に一致させる事ではない。ある期間、一定の条件のもとでのみ、自然な形で両者を揃える「整合性」を目指すこと。整合性を目指すには、「企業の目標と価値観」と「社員のキャリア目標と価値観」との間にある共通点を、マネジャーが意識的に探して明示しなければならない。

会社と社員の価値観と将来の展望の整合性を取るのは難しい。だが、コミットメント期間を導入すれば、整合性が必要となるのは特定の任務が終了するまでの限られた期間となり、整合性にまつわる諸問題を解決可能なレベルにまで限定できる。

整合性を構築するための3つのステップ

①会社の核となるミッションと価値観を打ち立て、それを広める
②社員の大切にしている価値観とありたい姿を知る
③社員、上司、会社間の整合性を目指し協力する