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2015/08/17更新

KING JIM ヒット文具を生み続ける独創のセオリー

  • 宮本 彰
  • 発刊:2015年5月
  • 総ページ数:182P

123分

2P

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ヒット文具の生み出し方

『テプラ』『ポメラ』といった新しいユニークな商品を開発する事で知られる文具メーカーのキングジムが、その商品開発の方法を紹介している一冊。新しい商品はどのように生み出されるのかが書かれています。


■「万人受け」する商品は狙わない
ヒット商品といっても、実はそれほど多くの人が買っている訳ではない。これは「誰もが買う商品」でなくても、十分にヒット商品になり得るという事でもある。そもそも誰もが欲しがる商品をつくろうという発想が、無理な話である。そして、仮に誰もが「欲しい」と思っても、購入される事のない商品がある。

反対に、ほとんどの人が「欲しい」と思わない、10人の内9人が見向きもしない商品でも、1人が買い物リストのトップに載せてくれたら、確実に購入してくれる。誰もが「そこそこ欲しい」と思う商品ではなく、たとえ一部の人であっても「熱烈に欲しい」と思うような商品がヒットにつながる。誰にでも好まれる最大公約数的なアプローチは、どっちつかずで、インパクトの弱いものになりがちである。

超短要約

キングジムの開発部門の実務スタッフは、平均年齢33歳で総勢約40名、日々オリジナリティ溢れる文具の開発にあたっている。創業は1927年と古く、主にオフィス用のファイルで成長した会社だが、80年代の終わり頃に電子文具のカテゴリーを創出し、数多くのヒット商品を世に送り出してきた。ラベルライター「テプラ」が1988年発売。デジタルメモ「ポメラ」は2008年発売。この2つの製品が転機となり、キングジムは「ユニークな商品を次々と開発し、発売する会社」として認識されるようになった。

キングジムでは、毎月1回開発会議が行われる。開発スタッフが提案する新製品のアイデアを、実際に商品化するかどうかを役員が審査する。新商品の提案は、毎回3〜4案。既に開発部内で精査されたアイデアのため、開発会議に出てくれば、8割方はGOサインを出される。

良いアイデアの基準は次の3つで判断される。

①サクセスストーリーが描けるか
②よりよい解決になっているか
③新しい市場をつくる商品か

結局は何が当たるかは予測できない。そのため、10打数1安打を目標として、まずは商品化してみる。失敗すれば、すぐに撤退する。新しいジャンルを開拓した商品は、消費者に強いインパクトを与えるため、そのカテゴリーを代表するブランドとして、大きなアドバンテージを得る事ができる。

著者 宮本 彰

1954年生まれ。キングジム 代表取締役社長 大学卒業後、祖父が創業した文具メーカー・キングジムに入社。1984年に常務取締役総合企画室長、1986年に専務取締役に就任。1985年に、それまで自社で扱っていなかった電子文具の開発を目指す「Eプロジェクト」を立ち上げ、1988年に発売した「テプラ」は大ヒット商品となった。1992年に代表取締役社長に就任。 「ポメラ」「ショットノート」をはじめ、独創的なアイデア商品を次々とヒットさせ、注目を浴び続けている。

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章の構成 / 読書指針

章名 開始 目安 重要度
プロローグ 売れるかどうか、わからない…ならば商品化はGOだ! p.11 6分
1章 「10打数1安打」を目標にヒットを連発する p.23 24分
2章 失敗を責めない。だから奇抜なアイデアが生まれる p.67 23分
3章 成功と失敗を分けたまさかの原因を明かそう p.109 19分
4章 会社のDNAから創造性をどう発現させるか p.145 11分
5章 面白くないことはしない。これがリーダーの務め p.165 9分

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