イノベーションの重要性が増している中で、注目されているデザイン思考。
デザイナーの思考法を学ぶことで、新たな発想を生み出すというこの手法が紹介されている一冊。
■デザイン思考とは
デザイン思考の1丁目1番地は「デザイナーの思考法」そのものである。デザイナーが目指す思考スタイルは、左脳と右脳の両方を活用したハイブリッドな思考である。それは、左脳の論理の力と右脳のイメージの力を両方バランスよく使いながら、自分ならではのユニークな切り口を出すという、創造=「知的生産」を日々実践する事になる。
このハイブリッド思考を成り立たせている要素は「インプットの質」「発想のジャンプ」「アウトプットの質」の3つに分解される。それぞれの質を高めていく事で、知的生産性を大きく上げる事ができる。
■右脳を刺激するインプット
デザイナーは、プロジェクトを始める際、アイデアを考えるためのリサーチを行う。リサーチで大事にされているのが、右脳を刺激するインプット。例えば、ビジュアルのイメージや動画を集める事や現場に実際に行ってみる事である。ビジュアル情報は文章などのテキスト情報に比較して、圧倒的に情報量がある。より具体的に人の気持ちや生活シーンをイメージする事で、新たな切り口の仮説を発想するやり方が、デザイナーのリサーチの特徴である。
アメリカでは21世紀に生きる人材がグローバルに活躍するためのスキルを定義する研究が行われてきた。2002年から始まったこの研究は、マイクロソフト、シスコシステムズ、アップル、オラクル、インテルなどの企業が教育省と協働して行ったものである。そして、以下のように整理されている。
・思考の方法
創造力とイノベーション、クリティカル思考と問題解決、意思決定と学習
・仕事の方法
コミュニケーション、コラボレーション
・仕事の道具
ICTとデジタルリテラシー
・世界で暮らすための技能
市民性、生活と職業、個人的および社会的責任
この中で、創造力とイノベーションは、クリティカル思考と問題解決や意思決定と共に、大事な思考スキルとして取り上げられた。
著者 佐宗 邦威
biotope 代表取締役社長 兼 チーフ・ストラテジック・デザイナー 大学院大学至善館 准教授 P&Gマーケティング部で「ファブリーズ」「レノア」などのヒット商品を担当後、「ジレット」のブランドマネージャーを務める。 その後、ソニーに入社。同クリエイティブセンターにて全社の新規事業創出プログラム立ち上げなどに携わる。 ソニー退社後、戦略デザインファーム「BIOTOPE」を起業。 BtoC消費財のブランドデザインやハイテクR&Dのコンセプトデザイン、サービスデザインが得意領域。 山本山、ぺんてる、NHKエデュケーショナル、クックパッド、NTTドコモ、東急電鉄、日本サッカー協会、ALEなど、バラエティ豊かな企業・組織のイノベーション支援を行っており、個人のビジョンを駆動力にした創造の方法論にも詳しい。
WEDGE |
帯 早稲田大学ビジネススクール准教授 入山 章栄 |
帯2 MITメディアラボ教授 石井 裕 |
ダイヤモンドハーバードビジネスレビュー 2016年 01 月号 [雑誌] (意思決定の罠) |
マインドマップ的読書感想文 smooth |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
---|---|---|---|
はじめに | p.8 | 2分 | |
chapter0 21世紀型教育の先進国アメリカ | p.17 | 14分 | |
chapter1 デザイナーから学ぶハイブリッド知的生産術 | p.39 | 23分 | |
chapter2 作り手魂の学校 | p.75 | 14分 | |
chapter3 創造的問題解決の羅針盤 | p.97 | 39分 | |
chapter4 創造モードへのスイッチ | p.157 | 18分 | |
chapter5 デザインというビジネス・キャリア | p.185 | 25分 | |
chapter6 デザイン思考は幸せに生きるためのライフスキル | p.223 | 9分 | |
おわりに | p.237 | 2分 |
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