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2015/08/13更新

日本の神さまと上手に暮らす法

  • 中村 真
  • 発刊:2015年6月
  • 総ページ数:232P

110分

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余裕が生まれる場所

行きつけの神社を持とう。たとえば、ある土曜日の朝、近所の神社に行くとする。ようやく迎えた休日。「あと15分で到着だ」と大急ぎで行く人はおらず、のんびり歩く。のんびり歩けば、風、空,木々、空気の匂い、商店街の人々など、いつもなら通り過ぎるものに目を向ける余裕が生まれる。この余裕こそが神社のご利益である。

考える時間、立ち止まる時間というのは、とても尊く大切だが、私達の暮らしから確実に失われている。それを取り戻せるだけでも幸せである。

神社に行くのに理由はいらない。大晦日や正月でなくてもいい。試験の前に合格祈願をしたいという「用件」も必要ない。「そうだ、神社にいこう」と足を運んでみて、それが習慣になると暮らしと心が少し変わる。

自然という神さまに出会う

日本の神社には、人が祀られている神社と自然が祀られている神社とがある。日本人は元々、たった1人の神さまを信じるのではなく、八百万の神を信じてきた。太陽、海、山、一粒のお米やトイレにも神さまがいるという自然崇拝の考え方。それを色濃く残しているのが自然を神さまとして祀った神社である。

古来その土地を護ってきた神さまや自然そのものを祀った神社は日本全国にみられるし、そうした神社はたいてい山や海にある。神社を通して自然という神さまに出会うと、自分の小ささ、すべてのかけがえのなさ、命あるものの美しさに目を向けられるようになる。

お参りとは空を見上げること

お参りとは、神さまに会いに行く事であり、自然とつながる事である。大抵の神社にはしめ縄があり、その周辺には「紙垂」という、ギザギザした和紙が垂れている。中央に鈴があり、その奥に拝殿がある。これはすべて自然の象徴。「しめ縄」は雲、「鈴」は雷鳴、「紙垂」は稲妻を表す。昔、日本人は自然を神さまに見立てていた。神さまは天にいて、時々怒ると雲がわっと上がってきて、激しい雷が落ちる。それをコンパクトに表現したのが、神社である。

しめ縄という雲が自分達と天を隔てており、それを見上げて鈴をゴロゴロと鳴らす。紙垂という稲妻を眺めながら「神さまおいでください」と手を合わせる。お参りはそんな行為。

お参りのマナー

①お辞儀をし、鳥居をくぐる
②手水で手を清める
③正中を避けて参道を進む
④拝殿に向かってお辞儀をし、鈴を鳴らす
⑤二礼。二拍か四拍か九拍。
⑥祓詞を知っていれば唱え、自分の名前を名乗る
⑦感謝を捧げる、もしくは誓う
⑧一礼。その後お辞儀をし、神さまにお尻を向けないように参道に戻る