ルールや規則が、脳を抑制し、ぐずぐずと物事を決められない結果を招く。何に対しても素早く決断し行動するためには、どうすればいいのかを脳科学者の茂木健一郎氏が解説。すぐにやる脳のつくり方を紹介しています。
■真面目な人ほど動けない
世の中には2通りの人間がいる。何に対しても素早く決断して行動できる「すぐやる」人間と、なかなか物事を決められず、考え過ぎて動けない「すぐやれない」人間である。ビジネスの世界において、常に結果を出し続けている人は前者である。
「すぐやる」と「すぐやれない」という差には、脳の働きが大きく関係している。すぐに動けない人とは、脳の前頭葉が指示通りに機能して、抑制が利いてしまっている人の事である。「実行に移す前に、まずは慎重に検討しなければならない」「これが重要な事は理解できるが、常識で考えた場合・・・」、こうした決まりが脳の「抑制」となり、私達の行動にブレーキをかけてしまう。ルールに忠実で、真面目な日本人の脳が有効に働いているからこそ、すぐやれない「ぐずぐず脳」になってしまう。
これからの社会でビジネスパーソンが仕事で結果を出していくためには「すぐやる脳」が必要である。「すぐやる脳」とは、「抑制」が外れて、軽やかに動く頭脳のこと。大事なのは、あまり深く考えない事を習慣化する事である。
習慣化するには、一番大事な事は何かを考え抜き、目的達成に不要な要素であれば、思い切って脳の中から省いていく「脳内ダイエット」が必要不可欠である。「何かをやらない」と決める事で、脳の中に空き地ができ、いろいろな発想やアイデアが入ってくる。
著者 茂木健一郎
1962年生まれ。脳科学者 ソニーコンピュータサイエンス研究所シニアリサーチャー 慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科特別研究教授 「クオリア」(感覚の持つ質感)をキーワードとして脳と心の関係(心脳問題)についての研究を行っている。また、脳と神経に関する一般読者向けの解説書を多く執筆し、テレビ番組や雑誌、週刊誌などマスメディアで積極的に活動している。 著書に『脳と仮想』『ひらめき脳』『生命と偶有性』など。
帯 元プロテニス選手 松岡 修造 |
ビジネスブックマラソン 土井 英司 |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
---|---|---|---|
はじめに 結果を出せるビジネスパーソンは「すぐやる脳」を持っている! | p.2 | 2分 | |
1 「すぐやる脳」と「ぐずぐず脳」 | p.15 | 15分 | |
2 リスクを取って「すぐやる脳」に! | p.47 | 16分 | |
3 「安住しない人」が未来の成功を手に入れる! | p.81 | 14分 | |
4 脳をやる気にさせる「自律」のメカニズム | p.111 | 16分 | |
5 仕事の速度をアップする脳の使い方とは? | p.147 | 14分 | |
6 「すぐやる脳」に変われば人生がガラリと好転する! | p.177 | 10分 | |
おわりに | p.199 | 2分 |
内向型人間の時代 社会を変える静かな人の力 [Amazonへ] |
ホモ・ルーデンス (中公文庫) [Amazonへ] |
ビジョナリー・カンパニー ― 時代を超える生存の原則 [Amazonへ] |